- 作者: ホイットリー・ストリーバー,安原和見
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/01/11
- メディア: ハードカバー
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高度な占星術など、今もって謎の多い古代マヤ文明の精華「マヤン・カレンダー」によって、2012年12月21日は、地球に大異変が起こると予言されている。黙示録の日が迫る地球では、並行する宇宙から、未知の脅威が襲来しつつあった。異星人の存在を信じる作家ワイリー・デイルは、予言を阻止しようとする。
【評価】★★★☆☆
凄く期待していたので、肩すかしを食らわされた感じ。(^_^;
「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」は環境破壊による気候変動というある意味での“リアリティ”があったわけですが、この「2012」では“リアリティ”が感じられないただのSFになってしまっている点が作品としての面白さを半減させてしまっています。言い替えると“マヤ的リアリティ”を構築し切れていないということ。折角の“マヤン・カレンダー”が、単に“2012年”という時期に意味を持たせるツールにしかなっていないわけで、そこが「マヤ的世界観をどう料理してくれるのか」と期待した私にとっては全くの肩すかしだったわけです。
縦しんば“マヤ”を活かさないにしても、また“並行宇宙”という設定も認めるとしても、この展開はあまりに皮相浅薄であり、出来の悪いハリウッド映画を観ている感じでした。そもそも映画化を前提として書いているのが見え見えで、様々なシーンが極めてビジュアライズされて描写されています。まあそれ自体は悪いことだとは思いませんが、そこで浮かんでくるビジュアルというのがいかにもハリウッド的な極めて分かりやすいものである点が流石に興ざめ。“レンズ”にしても“異星人”にしても...。
以上文句ばかり書いてきましたが、お話としては面白いと思うので映画化されたら一応観ると思います。監督はマイケル・ベイのようですが、それでは余りに予定調和的ですねぇ。クリストフ・ガンズ監督だったら面白そうなのに...。