memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

パルス−回路−

日本映画界きってのホラー映画の名手黒沢清監督の『回路』を、『エルム街の悪夢』『スクリーム』シリーズのウェス・クレイヴンが脚本を手掛けたハリウッド・リメイク作!クリステン・ベル、イアン・サマーハルダー、クリスティーナ・ミリアン、リック・ゴンザレスほか出演。
『そこ』には決して触れてはならない―。
学生ハッカー、ジョシュがアクセスしたのはそういう場所だった。
彼のハッキングにより“この世界にあふれ出たモノたち”。
その存在を知ってしまったジョシュは、自らの命を絶つ。
彼の死後、恋人のマティは彼の死に疑念を抱き真相を追った。
その手がかりは、残されたPCに、インターネットの中にあった。
核心に近づく彼女たちの前で超常的な現象が起き始める。
やがて皆が気づき始めた時は、人々が消え、街は廃墟となり始めていた。

【評価】★★★☆☆

「不条理感」あるいは「得体の知れなさ」。「何故?」という疑問に対する答えがないままに世界が壊れていく様を見せられる怖さ。そして観終わったあとに残る行き場のないモヤモヤとした気持ち。それらが私にとっての“回路”の面白さなのですが、その観点で見ると「パルス」は別の映画になってしまっていると言えます。
そもそも電波(ただし、未知の周波数という設定)を媒介にするという設定時点でアウトだし、身近に溢れかえっている電子機器と結びつけようとすること自体が勘違いも甚だしい。アメリカ人という奴は直ぐに小賢しい説明(理由付け)をしたがるから本当に怖い映画を作れないんですよね。(`へ´)
というわけで“回路”のリメイクとしてみるならば★2つなのですが、“回路”とは関係のない独立した映画としてみるならば、実はそれ程悪いとは思いません。むしろ面白い(★4つでもよい)と言えるレベルなので、総合評価としては間を取って★3つにしました。