〜前回からのつづき
以前PC audioを試したのは2013年のことでした。その時のMacOSはYosemiteだったのですが、現在はHigh Sierraにしています。
で、問題なのは、Yosemiteの次のEl CapitanまではDirect Mode(MacOSのCore Audioを通さずにAudirvana PlusがDACと直接やりとりできるモード)が使用できたのに、次のSierraからDirect Modeが使用できなくなっていたという事実。
そもそもAudirvana Plusの音が良いのはDirect Modeとインテジャーモードの併用に因るところが大きいらしいので、Direct Modeが使えなくなったことはMacでPC audioをやっている人たちの間で大きな話題になっていたようです。私はPC audioからはすっかり離れていたので全く知りませんでした。
ただし、El Capitanのシステムに含まれるAudio関連のファイル(IOAudioFamily.kext)を取り出して、High Sierra内のファイルと置き換えることによりDirect Modeの使用が可能になるようです。さほど難しくは無さそうなので、早速やってみました。
方法はググると出てくるので詳細は省きますが、基本的な考え方は次の通り。
- OS X El Capitan アップデート v10.11.6をダウンロードし、ターミナルアプリと、パッケージをディレクトリに展開するPythonスクリプト(parse_pbzx2.py)を使い、El Capitanの中からIOAudioFamily.kextというカーネル機能拡張ファイルを取り出す
- Higi Sierraの中にあるIOAudioFamily.kextと置き換える
- 置き換えただけだとエラーが出て読み込まれないので、Onyx(MacOS用の有名なユーティリティアプリ)を使ってアクセス権を修復する
- 再起動するとDirect Modeが使用できるようになる
とりあえず先人の教え通りに道を辿ってみたのですが、Onyxによるアクセス権修復で躓きました。というのは、Sierra以降に対応するOnyxからアクセス権修復機能が無くなっていたのです。
だったらEl Capitan用のOnyxを使えば良いかなとダウンロードしてみたものの、OnyxはOSのメジャーバージョン毎に専用のアプリとなっているため、El Capitan用のOnyxはHigh Sierraには使えないのでした。
う〜む、困った... と考えること暫し。
アクセス権を修復すればよいのであれば、別のアプリがあるんじゃないかと思ってググってみたところ、RepairPermissions V3というソフトを発見。さらに2chにもこのソフトを使ったDirect Mode ONのプロセスが書いてありました。
早速このソフトを使ってIOAudioFamily.kextのアクセス権を修復してみたのですが、Audirvanaを立ち上げるとエラーメッセージが出ます。要するにIOAudioFamily.kextが正常に読み込まれていない模様。
途中でミスったかもしれないので同じ手順を最初から試してみてもダメで、ユーザーアカウントを切り替えて試してみてもダメ。2chではHigh Sierraで成功しているケースもあるようなので、きっとどこかが間違ってるんだよなと思いつつ、先の2chの書き込みをどんどん読み進めていったところ、意外な事実を発見。
どうやらHigh Sierra 10.13.1まではDirect Modeが復活してたけど、 High Sierra 10.13.2ではDirect Modeが復活しないみたい...(T_T)
ということは、今後の選択肢はざっくり2つに絞られます。
一つは、MacOSをHigh Sierra 10.13.1(だめなら10.13)か、El Capitanにダウングレードするという選択(ただしHigh SierraでファイルシステムがAPFSに変更されたので、El CapitanにするにはディスクをHFS+でフォーマットし直さないとダメ)。
もう一つは、MacOSをHigh Sierra 10.13.2のままにして、Direct Modeはあきらめるという選択。ちなみに2chの書き込みを読むと、Direct ModeがONのEl Capitanよりも、Direct ModeがOFFのHigh Sierraの方が音が良い、と主張している人も何人かいました。
どちらを選ぼうか一瞬考えたけど、そもそもHigh Sierra(10.13.2でDirect ModeがOFF)の音が気に入らなかったところからスタートしている話なので、El CapitanもしくはHigh Sierra 10.13.1か10.13でDirect ModeをONにした音を確認しないことには前に進めません。
とうわけで基本方針は決まったのですが、ちょっとスケベ根性が...。
どうせ使うのはバックアップ用のMacBook Proだし、インストールしてあるWindowsを使うことももはや無さそうなので、Windows用のBootCamp領域を潰してMacOS用に2つ(もしくは音楽ファイル用を加えて3つ)のパーティションを用意し、それぞれにEl CapitanとHigh Sierra(10.13.1か10.13)を入れればよいのではないかと。これなら、El CapitanとHigh Sierraの比較、さらにはそれぞれのOSでのDirect ModeのON/OFFの比較ができます。
ちなみに外付けUSB-HDDにシステムをインストールする方法も頭を過ぎったけど、SSDではなくHDDだという点、さらにはUSB接続されているという点から、内蔵SSDにシステムをインストールした場合と音が変わる可能性が大きいため、NGとしました。それにHDDだと起動に時間がかかりますしね。
今回構築するのはPC audio専用なので普段使いの環境構築よりは楽だけど(PC audio以外のアプリとかファイルを入れる必要が無い)、それなりの時間と手間はかかると思うので、少しずつ進める予定。
環境構築が完了するまでの間は、多少問題はあるもののSonica DACをネットワークプレーヤーとして使いますが、つい先日使い始めたfidata Music Appの使い勝手がかなり良いので、Sonica純正アプリを使っていた時よりもストレスはかなり減りそうです。
〜多分、つづく。