メインシステムのDACをWadia521からMA1 DACに戻した経緯は先日のブログに書いたとおり。
巷ではWadia521はWadia色が薄いと言われており、それはその通りかもしれませんが、それでもやはりWadiaなわけで、音の厚みとか音の濃さみたいなものはMA1 DACよりもあります。
MA1 DACの緻密さや音の肌感は評価しているものの、やっぱりWadiaも捨てがたいなと思いつつ、何とか両方の良さを兼ね備えることはできないものかと無茶な妄想に耽っていました。
その時、パッとひらめいたんですよね。もしかしてP10（PS Audio PerfectWave Power Plant 10）のMultiWaveが使えるんじゃないかと。
早速試してみたところ、これが中々良い感じなのです。中域〜低域の上くらいの音の厚みが増して、力強さが出てきました。その時はチェロを聞いていたのですが、MultiWaveだとチェロの実体感があきらかに強まります。
●P10の基本出力波形（SineWave：MultiWave OFF）
●MultiWave（Level=6）の出力波形
勿論良いことばかりでなくMultiWaveには副作用もあります。具体的に言うとMultiWaveのLevel（1〜6の6段階）を上げるほど音の厚みと引き替えに繊細さや透明感がスポイルされるのですが、MA1 DAC自体がもともと繊細な音故に多少繊細さが後退したところでWadia521の音よりは繊細という何とも絶妙な落としどころなのです。
まだCDを2枚しか聞いていないので、様々なジャンルでMultiWaveの方が好ましい結果になるかどうかはわかりませんが、リモコンのスイッチ1つで切り替えが可能なので使わない手はありませんね。
無用の長物だと思っていたMultiWaveですが、意外に役立ちそうです。
