memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Analysis Plus ビッグ・シルバー・オーバル

島田さんが良いと書いていたアナリシス・プラスの記事をdearaudioのサイトで調べてみたところ、Golden Ovalのインターコネクトケーブルでした。
残念ながらスピーカーケーブルではなかったし、Golden Ovalはバカ高くて買えやしないけど、その下のクラス〜Big Silver Ovalだったら何とかなりそう。24金メッキと銀メッキでは当然音は違うでしょうが、メーカーとしての音作りに関しては共通する部分も多いと思うので、今回はBig Silver Ovalを試してみることにしました。
puronimoさんのブログで安く売っているお店もわかったことだし。)



楽天のCFEオンラインショップで注文し(なんと通常販売価格の4掛け以下!)、2日後に到着。


定価が高いケーブルの割には珍しく簡素なパッケージですが、化粧パッケージにコストをかけるのは無駄だと思っているので、個人的には好感度大!


ターミナルはシンプルでガッシリとした作り。バナナの選択も可能です。


ところが、ジャケットの印刷を見て「あれっ?」と思いました。Big Silver Ovalではなく、Silver Ovalと印字されています。もしかして商品が違っているとか...(¨;)


CFEのサイトを見てもよくわからなかったので直接問い合わせてみたところ、印字はSilver Ovalとなっているものの、商品は間違いなくBig Silver Ovalでした。
判別方法はケーブルの幅で、Big Silver Ovalは約1.8cm、Silver Ovalは約0.8cmだそうです。

その後、CFEのサイトに判別方法の説明が追加されました。商品購入時の連絡や問い合わせ時の対応も迅速丁寧で、好感が持てるお店だなと思っていましたが、この説明追加の素早い対応を見てあらためて好感度が上がりました。とても良いお店だと思います!
これでオーディオ系アクセサリーを幅広く扱ってくれればもっと利用するのですが、アナリシス・プラスのケーブルだけでは、流石に...ね。




さて肝心の音について書いておきましょう。
届いたのが12日。帰省等もあったので実質的な使用期間は約1週間という時点での感想です。またmuRata ES105Aを使用した状態です。


一番印象的なのは「人の声」のリアル感。ボーカルももちろんなのですが、特にドラマや映画を見ていて強く感じます。これまでだって結構いい線いっていると思っていましたが、もうちょっとだけリアルになったかもしれません。どこがどう変わったのかはよくわからないのですが、何かが違うんですよね。もの凄く微妙な何かだと思うのですが、恥ずかしながら説明不能


次に印象的なのは「突出した個性もないけれど粗もない」というのでしょうか、とにかく不満な点が(今のところ)見つからないこと。
Organic Audio導入のレビューの際に「ナチュラルでウェルバランスな音」と書いているのですが、今あらためて考えてみると、Organic Audioの音って“イメージとしてのナチュラルさ”なんですよね。言い換えると「ナチュラルというイメージを強く想起させるような個性」を持っていると言うこと。具体的には、軽やかさであり、響きの美しさであり...。


一方、アナリシス・プラスの音って、言い方は悪いのですが「無個性」に思えるのです。ただしこれといった不満点も見つからないというところがミソで、「様々な評価軸において一様に高水準」でないと、きっとそうはならないと思うわけ。少なくとも比較対象としてのKS-3033からリプレイスして「不満な点が(今のところ)見つからない」というのは結構凄いことではないかと...。


ちなみに、“不満な点が見つからない=KS-3033と比較して劣っている点がない”という意味ではありません。KS-3033の方が空間情報は若干多いと思うし、総じて「美音」だと思うし...。
でもアナリシス・プラスの音だけ聴いていると、「それらが無いことが欠点である」とはあまり思わないのです。当たり前ですけど、日常の生活の中で様々な音を聴いていて「音が悪い」とは思わないですよね。その感覚に近い感じ。
ただし今時のハイエンドって「実際にそうである以上の、創られた音」を求める傾向が強いと思うので、その意味では耳の肥えた方にとっては「アナリシス・プラスの(ビッグ・シルバー・オーバルの)音って、悪くはないけど何か物足りない音」という印象を持つ可能性はあると思います。まあ、私の場合はそのレベルには達していないので、(今のところ)この音で十分満足できそうです。


ちょっと概念的なレビューに走ってしまったので、もう少しオーディオ的な感想(KS-3033との比較)を書いておきます。ちなみに実際の音の差は、文章から受けるほどの差ではありませんのでご注意下さい。


・KS-3033の方が音が華やかで、ややウォーム
・楽器の直接音に関する情報量には差を感じないが、響きはKS-3033の方が若干広がり感が大きくて情報量も少し多い感じ
サウンドステージはKS-3033の方がやや奥に深い
・アナリシス・プラスの方が楽器の位置が若干前寄り
・アナリシス・プラスの方が音像がシャープでフォーカスがビシッと合った感じ
・低域の量感にほとんど差はないが、アナリシス・プラスの方が重量感があり、キレが良くてタイト


ここまでの印象では、エージングによる音の変化が比較的少ないケーブルのような気がしますが、今後使い込んでいくとまだ多少の変化は見られるかもしれません。その時にはまた追加レポートを書こうと思います。


最後に、今回のスピーカーケーブル交換の契機となった、「音の肌触り、テクスチャーの質感・肌理あるいはフレーバーみたいなところへのひっかかり・・・一皮剥け切れていない感じ」ですが、多少は薄れたものの雲散霧消とはなりませんでした。まだ若干のひっかかりを感じます。
ってことは、キンバーのせいだけじゃなかったということですかねぇ...。
これ以上の投資は無理なので、ACケーブルのローテーションでもやってみようかなぁ。