memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

BELDEN 8470 試聴#2(最終回)

8470を使い始めて2週間弱が経過。当初の音の固さはほぼ解消され、この音だけを聴いている限りは「これでいいんじゃないか」と思ったりしているのですが、比較のためにKS-3033に戻してみました。

以下がKS-3033の音の感想。文字面から感じるほどの差はないですが、傾向はまあこんな感じでしょう。


・やっぱり情報量が多い。特に空間情報(響き)
・音に色彩感がある。画像エフェクトで言うならばVIVID?
・高域が繊細で綺麗
・音のエッジが柔らかい
・艶っぽさがある
・前後の空間がやや広い
・音のトーンが明るい
ニュートラルを挟んでややデッド気味の音がややライブ気味になった感じ

・楽器の芯の部分の音が響きの情報などに若干埋もれてしまっている?
・音の勢い(エネルギー感)がやや弱い
・低域の力強さがやや弱い


意外にもKS-3033−>8470に交換したときに受けた印象より2本のケーブルの音の差が大きいように感じました。やっぱり試聴の際はA−>BとBー>Aの両方をテストしないとダメですね。


今回の試聴の後で感想をまとめていて気がついたのですが、KS-3033の音って良くも悪くもConcentraIIの音の方向性に似てるのかもしれません。華やかさがあって綺麗でニュートラルよりもやや暖色よりの音。季節で言うなら陽光煌めきはじめた“春”の音かな。
個人的にはとても好きな音ですが、この音が嫌いな人は結構多いかもしれないですね。


そんなわけでSPケーブルはやっぱりKS-3033を使うことにしたのですが、今回の8470試聴は私の中にあったいくつかの先入観を崩してくれたという意味でとても有意義な経験でした。
その最たるものは“アクセサリーは、あくまでアクセサリーに過ぎない”という事実をあらためて確認できたことでしょう。


これまではややもすると機器とアクセサリーを同列で捉えてしまい「このクラスの機器にはこのクラスのケーブルを合わせないとダメなんだ」とか考えてしまいがちだったのですが(付属のケーブルなんて使ったことがない)、1m・十数万円のケーブルを1m・600円のケーブルに換えたとしても、やっぱりいつものGuarneri mementoの音がするんですよね。結局、一つ一つの機器が持っている音のコアな部分は変わらないわけで、その周りの音がやや変わるだけなんです。


勿論“その変化”というやつは、それはそれでとても楽しみなのですが、その些細な変化ばかり追っかけていると何時の間にか枝葉末節に捕らわれて本質を見失いかねないというか、ついついマイオピアに陥ってしまうという危険性を孕んでいるわけです。恥ずかしながら私なんかは気づかぬうちに完全に陥ってしまっていたと思います。(^_^;)


今回の経験でそのマイオピアから完全に脱したとは思っていませんが、「何が何でも高級ケーブルでなきゃ」とかいう思い込みからは解き放たれたような気がします。今後はもう少し視野を広げてケーブルと付き合っていこうかな…。