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入手までにいろいろとあったマリア様がみてるOVA1「子羊たちの休暇」を漸く観ることができました。基本的にはコバルト文庫「マリア様がみてる 子羊たちの休暇」のアニメ版となっています。
この「子羊たちの休暇」は数あるエピソードの中でも個人的に好きなお話です。「レイニーブルー〜パラソルをさして」で祥子様との絆を深めた祐巳さんが、小笠原家の別荘で夏休みの数日間を過ごすというストーリーなのですが、祐巳さんの祥子様に対する接し方の変化、そして祥子様の祐巳さんに対する思いなどが直接的に表現されているエピソードとなっており、真にスールとしての関係を築き始めた2人が見られるという意味でも重要な作品だと思います。
まず最初に感じたのは画のタッチが微妙に変化しているなということ。祐巳さんの唇のあたりの描写にもこれまでにないものを感じましたが、個人的にはやはりTV版アニメの第1話〜第3話(特に第1話が素晴らしい)の画が好きですね。全体として決してクオリティが低いとは思いませんが、「涼宮ハルヒの憂鬱」「桜蘭高校ホスト部」などの最近のハイクオリティ作品と比べると、画の切れや動きという点で物足りなさを感じたのは事実です。またどこがどうというわけではないのですが、劇場版の中編作品的な印象も受けました。もう一度見直してみればその理由がわかるかもしれません。
ストーリー構成としては、時間的に原作全てを盛り込むことはどだい無理なのでポイントポイントを端折っているのですが、まずます納得できる構成だったと思います。京極家から帰ってきてヒステリーを起こす祥子様と祐巳さんの会話のシーン、そして西園寺家のパーティーで祐巳さんが「マリア様の心」を歌い、心を閉ざしていた西園寺の曾お祖母様から「天使さま」と称されるあたりの、このエピソードにおける2大シーンがしっかりと描かれていていたのはよかったですね。
個人的には瞳子ちゃんが祐巳さんのことを実は心配しているという微妙な心情表現をもう少し盛り込んで欲しかったのですが、祐巳さんと瞳子ちゃんのスール問題はこのOVAシリーズではフォーカスが当てられないと思うので、まあ仕方ないですね。志摩子さんと乃梨子ちゃんのかわいい私服姿が見られたので良しとしましょう。
何はともあれ「マリみて」の新作映像を久々に観ることができ嬉しい限りです。次作「略してOK大作戦」が発売されるまでの間、何度も観直して楽しむといたしましょう。それでは皆さま、ごきげんよう。
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