memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

ディセント(監督/脚本:ニール・マーシャル)

THE DESCENT [DVD]

THE DESCENT [DVD]

サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックを生み、ハマー・フィルムの伝統を持つのがイギリス映画界、『ディセント』はイギリス映画界からのこのジャンルへの復活宣言ともいうべき新たなる傑作である。ヨーロッパ全土を震撼させたディセント・ショックは2006年、遂に日本に上陸した!
6人の女たちが訪れた、地下数マイルに続く異世界。洞窟探検での偶然の事故が、すべての恐怖の始まりだった…。謎の壁画、無数の白骨、記された矢印。出口なしの地下3000メートルで体験する絶対恐怖!ノンストップの絶・体・絶・命!果たして彼女達が遭遇した想像を絶する出来事とは!?

◆評価:「洞窟ものホラー」ということで期待していたのですが、残念ながらあまり怖くはありません。強いていうならば閉所恐怖症の方にはお薦めできるかな。


結構話題になっていた映画なのでDVD発売を楽しみにしていました。
確かに地下の狭い洞窟を這って進むシーンなどは閉塞感と緊張感のある映像でなかなかのものなのですが、それ以外は、はっきり言って特筆すべき点はないと思います。洞窟の中に棲んでいる△△△もいまいちだし、仲間割れといったってさほどではないし、謎の壁画も大した役には立っていないし、かつてこの洞窟に入り込んだと思われる人が残した矢印というのも結局の所意味をなしていないし...。伏線に仕えるようなネタをせっかくいろいろと仕込んでいるのに、それをうまく使い切れていないところがダメダメです。


そもそも冒頭のシーンで主人公の旦那と娘がクルマの事故で亡くなってしまうのですが(主人公だけが助かる)、そのシーンの意味は何なのでしょう? 主人公を元気づけるために友人たちが集まって洞窟に行くという設定のため?でもわざわざ事故で死なせる必要があるのかな?洞窟に行く理由なんていくらでも作れると思うのですが...。どうも必然性がよくわかりません。
それに洞窟に棲んでいる謎の△△△は眼が見えずコウモリのように音で状況を関知しているらしいのですが、だからといって音を立てないよう息を潜めて腹ばいになっている登場人物の背中の上に足が乗ったら、いくら何でもわかりそうなものですが...。どうして気がつかないのか、そちらの方が謎です。
ストーリー構成的にも△△△が登場した辺りからだんだん単調になってきます。戦うなら徹底して戦う映画に、逃げるなら逃げまくる映画にすればよかったのに、逃げたり戦ったりという中途半端加減が非常に気になります。先に触れた仲間割れだって、仲間割れをもっと徹底的にやれば怖くなったのにやはり中途半端な感があるのは否めません。
要するに脚本がダメなんですね。映像センスはそんなに悪くないと思うのでちょっと惜しいかな。次回作に、あまり期待せずに少しだけ期待しましょう。