memento

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化物語・上(西尾維新)

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった―!?台湾から現れた新人イラストレーター、“光の魔術師”ことVOFANと新たにコンビを組み、あの西尾維新が満を持して放つ、これぞ現代の怪異!怪異!怪異。 〜「BOOK」データベースより


この本はストーリーを楽しむというよりは、登場人物達の会話(ツッコミとボケ)を楽しむ本です。その意味ではチャット的(?)感覚を持った新しいタイプの本であると言えるのかもしれません。会話を楽しむと言えば、森博嗣さんの「真賀田四季犀川創平(&西之園萌絵)」の「緊張感のある研ぎ澄まされたナイフのような会話」にはゾクゾクしてしまいますが、西尾さんの「これでもかと言わんばかりの怒濤の言葉遊びに溢れた会話」にも感心してしまいます。まあ、時として「諄い!」と思わなくもないですが、その灰汁の強さも西尾さんの魅力ではありますよね。
さて、化物語・上は「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」の3つのエピソードで構成されています。主人公の阿良々木暦(高校生男子)が巻き込まれる3つの怪異を余計なお節介にも解決しようとするお話なのですが、怪異を抱える女の子たちのキャラクター設定が相変わらず見事であります。3人の中では「八九寺真宵ちゃん」がお気に入り。小学5年生のくせに、なかなか笑わせてくれます。
化物語」は間髪入れず12月4日に下巻が発売されるようなので至福の極みでありますが、来年は12ヶ月連続で「刀語(カタナガタリ)」という時代物が発売になるそうです。イラストは竹さんとのことなので、それもまたでっかい楽しみですね。(その前に「零崎軋識の人間ノック」を読まねば!)