memento

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偽物語〔上〕(西尾維新)

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)

“ファイヤーシスターズ”の実戦担当、阿良々木火憐。暦の妹である彼女が対峙する、「化物」ならぬ「偽物」とは!?
台湾の気鋭イラストレータVOFANとのコンビも絶好調!
化物語」の後日談が今始まる   西尾維新ここにあり!
これぞ現代の怪異!怪異!怪異!
青春は、ほんものになるための戦いだ。

【評価】★★★★★


阿良々木暦のふたりの妹、阿良々木火憐(でっかいほうの妹)と阿良々木月火(ちっちゃいほうの妹)。人呼んで栂の木二中のファイヤーシスターズ。「偽物語」はこのファイヤーシスターズをメインキャラとしたエピソードで、上巻は実戦担当の火憐ちゃんが“囲い火蜂”という怪異に憑かれるお話....ではありますが、「化物語」で登場したキャラ達がか細い脈絡でどんどん出てきていることを考えると、西尾さんは「偽物語」をキャラ総集篇にしようとしているのかもしれません。
ちなみに上巻で登場するキャラは、阿良々木三兄妹(暦、火憐、月火)、戦場ヶ原ひたぎ八九寺真宵神原駿河千石撫子羽川翼忍野忍(元・キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード)で、まだ登場していないのは忍野メメくらいだから女子キャラは全員出ちゃってますね。しかもみんな(八九寺真宵ちゃん曰く“阿良々木ハーレム”)これまで以上にはっちゃけているところが凄い!まさに西尾さん脳内エロ大暴走。
さて、このシリーズの中心には“怪異”というものがあるわけですが、今回の怪異である“囲い火蜂”自体は実のところ大した怪異(怪異と言えるかどうかもわからない)ではありません。火憐ちゃんの舞台設定、そして怪異の元凶たる貝木泥舟との因縁を通して戦場ヶ原ひたぎの過去を紹介するために適当に作ったという感じです。その意味でも、やっぱり「偽物語」はストーリー自体よりもキャラを描くことに意味がある“偽の物語”なのかもしれません。
下巻は2009年3月発売予定で、エピソードは最終話「つきひフェニックス」だそうです。アニメ「化物語」ともども期待しましょう!