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Wi-Fi 環境強化計画 #プロローグ〜Macbook Proを買い替えたらリンクスピードが落ちた!

2022年5月12日、Synologyから待ちに待った802.11ax対応 Wi-Fi 6ルーター RT6600axが発売されました!

昨年12月3日のオンラインイベント「Synology 2022 AND BEYOND」内で発表された、3年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたWi-Fiルーターです。

本日時点ではまだamazonに登録されていないので購入できていませんが、登録され次第購入する予定。

新し物好きな私としては、本当は一昨年の12月に富山に引っ越した際に宅内ワイヤレス環境をWi-Fi 6で構築したかったのですが、その時点ではSynologyからWi-Fi 6ルーターは発表も発売もされていなかったため見送ったという経緯があります。

Synologyにこだわらなければ直ぐにでも構築できたけど、今使用しているRT2600ac(及びメッシュルーターのMR2200ac)の使用感がこれまで使ったことのあるWi-Fiルーターの中ではダントツで優れていたため、Synologyから発売されるのを待つことにしたわけです。


正直なところ、現状のWi-Fi 5(802.11ac)環境で実使用上の不都合があるわけではないのですが、一つだけどうしても許せないことがあり、その解消のためにWi-Fi 6環境を構築したいのです。

その許せないこととは、Wi-Fi 5環境では現在契約しているインターネット環境(ベストエフォート:1Gbps)を最大限に活用できないこと。
※規格上はWi-Fi 5対応のRT2600acでも可能なんだけど、今使っているクライアント機器(Macbook ProiPad Proなど)では実現できない。

例えば昨年購入した最新のMacbook Pro 14inch、iPad Pro 11inchでもWi-Fi アクセスポイント(RT2600ac)とのリンクスピード(Appleでは転送レートと表記)は866Mbpsに止まり、実効速度は最大でも700Mbpsをやや下回る程度となります。
MacOSではOptionキーを押しながらメニューバーのWi-FiアイコンをクリックするとWi-Fiの詳細情報が表示されます。転送レート以外にも、使用周波数帯(5GHzか2.4GHzか)や帯域幅(20MHz、40MHz、80MHzなど)、セキュリティ方式(WPA3パーソナルとか)などを確認できるので便利です。

このリンクスピードが1000Mbpsを越えれば実効速度は最大で800Mbps台の後半くらいにはなるはずで、そうすれば1Gbpsベストエフォートを最大限に活用できていることになります。

そしてその実現のためにはWi-Fi 6環境が必要なのです。


現在使用しているRT2600acを購入したのは、まだ東京に住んでいた2018年6月で、実はその時使用していたMacbook Pro 13 inch(2016)とRT2600acのリンクスピードは1300Mbpsでした。

住んでいたマンションのインターネット環境が100Mbpsベストエフォートだったので実効速度は80Mbps台の後半でしたが、Macbook ProとRT2600acとの間は1300Mbpsのリンクスピードで接続できていたのです。

しかしながら現在使用しているMacbook Pro 14inch(2021)ではそれが866Mbpsと大幅に低くなっています。
ちなみに13inchの方はWi-Fi 5(802.11ac)対応で、14inchはWi-Fi 6(802.11ax)対応と対応する規格は上がっているにもかかわらずです。

最初はRT2600ac(東京ではルーターとして使っていたけど、富山ではアクセスポイントとして使用しているので設定項目が異なる。ちなみにルーター機能はMR2200acが担っています)の設定が原因だと考えて試行錯誤しまくったのですが、どうやっても1300Mbpsのリンクスピードは出ませんでした。

そこで現役を引退させた13inchを引っ張り出してきて試してみると、何とリンクスピードは1300Mbpsで接続できており、最大実効速度(Speedtestアプリにて計測)も800Mbpsを超えています!

つまりRT2600acの設定ではなくMacbook Pro側の問題だったわけで、2021年モデルのMacbook Proよりも5年前に発売された2016年モデルの方がWi-Fiスピードが速いという、俄には信じられない現象が起きていたのです。

当然、ネットワーク設定でWi-Fiの項目をチェックしてみたわけですが、13inchも14inchも同じ設定になっています。

「どう言うこと?」と思い、ネットでMacbook Proの仕様を調べてみたところ、想像もしていなかった事実がわかりました。

support.apple.com

Appleサポートのサイトより引用して加工

モデル 802.11規格 最大PHYデータレート 最大チャンネル帯域幅 最大空間ストリーム
2021 14inch ax@5 GHz 1200 Mbps 80 MHz 2/MIMO
2021 14inch ac@5 GHz 866 Mbps 80 MHz 2/MIMO
2017 13inch ac@5 GHz 1300 Mbps 80 MHz 3/MIMO

※2016年の13inchモデルと2017年の13inchモデルのWi-Fi仕様は恐らく同じ
※MIMO(Multi Input Multi Output)とは、複数の送信アンテナから同時にデータを送信し、そのデータを複数の受信アンテナで受信することで、同時に送信できるデータ量を増やす技術

2021年モデルをWi-Fi 5(ac@5 GHz)で使う場合の最大PHYデータレート(最大リンクスピード)は866 Mbpsだけど、2017年(2016年)モデルではそれが1300 Mbpsと高くなっていたのです。

そして何故そのような逆転現象が起きているかというと、最大空間ストリーム(MIMOのアンテナ本数)が2021年モデルでは2なのに対し、2017年モデルでは3となっていたからですね。
どうやら2019年の途中から最大空間ストリームを3から2にスペックダウンしたようです。

つまりWi-Fi 5(802.11ac)環境ではどう頑張ってもベストエフォート1Gbpsのインターネット契約はフル活用できないのだけれども、Wi-Fi 6(802.11ax)環境にすればリンクスピードの上限は1200 Mbpsまで上がってフル活用できそうなので、何としてもWi-Fi 6環境を構築したいわけです。


そして、ようやくSynologyからWi-Fi 6対応ルーター RT6600axが発売されたので、念願だったWi-Fi 6環境の構築に着手することにした次第。

単純にRT2600acをRT6600axに置き換えるだけでもWi-Fi 6環境(注:RT6600axの電波が弱いエリアはMR2200acによるWi-Fi 5環境)は構築できますが、折角の機会なので機器配置の最適化を含めて宅内ワイヤレス環境を強化したいと思います。