memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Technics SC-C50 専用オーディオボードの試聴

SC-C50 専用オーディオボードを設置し、Space Tuneを再測定しました。理由はボードの厚みだけスピーカーの位置が高くなるためです。ちなみにTone control、Voice ModeはどちらもOffです。


前回の測定結果(サンシャイン制振シートに直置き)がこれ。
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そして再測定した結果(サンシャイン制振シート+専用オーディオボード)がこれ。
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200Hzよりちょっと下くらいのピークが大きくなり、300Hz付近に新たなピークができています。ただし80Hz付近のピークの大きさはほとんど変わっていません。また500〜800Hzくらいに少し落ち込みが見られますね。

これをみる限りだと、専用ボードを使わない方が補正前/補正後の周波数特性がフラットに近い(凸凹が小さい)ように思えます。


では、実際に試聴してみた印象はというと、

  • 中〜高音の印象はほとんど変わらない
  • 低音に抑制が効いてやや締まった感じになるのだが、下方向への低音の伸びはむしろ良くなった気がする(しかも低音に弾力感があって好ましい)


というもので、測定結果から受ける印象とはかなり違うのですが、実際に試聴してみてどちらが良いかというと、専用ボードを使った方が低音の感じは良いのです。

ただ、低音の量感が少し物足りないのでTone controlでBassを1目盛上げてやったところ、かなり良いバランスになりました。
さらに言うと、Voice ModeはOnにした方がやっぱり良い感じですね。


と言うことで、専用オーディオボードは「専用」と称するだけの効果は十分あると思います。

ただしこれは(今のところは)非売品らしいので、SC-C50の導入を検討されているとしたらキャンペーンが終わる前(4月24日まで購入して25日の17時までにユーザー&キャンペーン登録することが必要)に購入しないと手に入りませんからお気を付け下さい。



では、専用オーディオボードがないとダメなのかというとそんなことはありません。

実は専用オーディオボードが届く前に、手持ちのインシュレーター2種類を使って実験してみたのでその結果を書き留めておきます。音の好みや感じ方は人によって違うので、あくまで私の感想ですが、市販のインシュレーターでも十分に音の調整が可能です。


■ KRYNA D-PROP mini(前1、後2の3点支持で本体を支える形で設置)

D-PROPはメインのオーディオシステムで多用しているインシュレーターで(Oracle CD2000mk3、Nagra PL-L、Vitus Audio SS-010に使用)とても気に入っています。内部はダブルスパイク構造で、特殊な液体を封入して振動をダンプしています。低音の質感が有機的になるのが最も気に入っている点で、かつ中高音にはほとんど悪影響がないので多用しているのですが、そのminiタイプを使ってみました。

もともとD-PROPへの信頼度が高いので、専用オーディオボード(その時点ではまだ未試聴)よりも良いのではないかと密かに期待していたのですが、結果はイマイチでした。

中高音は問題ないものの、低音の下方向への伸びが詰まった感じになってしまい全然気持ち良くありません。D-PROPってそれなりの荷重をかけないと効果を発揮してくれないので、もしかするとSC-C50の本体がD-PROP miniの威力を発揮させるだけの重量がないことが原因かもしれません。だからと言ってSC-C50の天面に鉛インゴットを置くつもりは更々ないので、D-PROP miniは不採用としました。

実はD-PROP miniはSC-C50の本体を(フットを避けて)ダイレクトに支える形で設置したので、もしかするとその影響も小さくは無いのではないかと思っているのですが、その話は後で触れます。


■ KRIPTON BLACK METAL KA-4005(本体フット4カ所の下に設置)※販売終了

一時期流行った制振合金M2052を使用したインシュレーターで、直径40mm×厚み5mmの円形(円柱形)です。低音の質感改善に効果があるので多用していた時期があったのですが、今は使っていません(もっと総合的に効果が高いインシュレーターにリプレースした)。サイズ違いで3種類持ってたりします...(^_^;

このインシュレーターは厚みが薄いため、基本的には純正フット/インシュレーターの下に敷く形で使用するのが一般的だと思いますが、そもそも機器純正のフット/インシュレーターをあまり信用していない(と言うか、よほどのハイエンド機器でない限りフット/インシュレーターに十分なコストをかけている機器を見たことがない)故、必然的に3rdパーティー製の効果が高いインシュレーターで機器本体を支える(つまり純正フット/インシュレーターはパスする)という方向に向かい、その結果、BLACK METALを使うことはなくなりました。でも素材としては嫌いではありません。

本命だったD-PROP miniが予想外にイマイチの結果だったため、「どうしようかな...」と考えた結果試してみたのがこのBLACK METALでした。SC-C50のフットをパスして本体を直接支えられるインシュレーターの手持ちがなかったというのが最大の理由ですが、純正フットをそのまま使用するよりはBLACK METALを噛ませた方がマシかと思った次第。

ところが、このBLACK METALが予想外に良かったのです。

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まず気に入った点は低音の量感が増えること。でもD-PROP miniとは違って下方向への伸びが頭打ちになる(詰まってしまう)感じはありません。また中高音に対する悪影響も全く感じられず、全体のバランスと低音の質感がとっても良い感じなのです。

で、思ったのですが、もしかするとSC-C50のプラスチッキーなフットって意外に効いているじゃないかと。尤もフット自体の素材云々よりも、フットが設置されている場所がスイートスポットなのではないかと言うことです。

D-PROP miniを使うに当たっては、どうしても純正フットを避ける形で設置せざるを得ないため十全な効果が発揮できなかったのに対し、BLACK METALは純正フットの下に敷いたことでその効果が十分に発揮されたという点が大きいのではないかと。


まあ、そんな経緯があって、昨日専用オーディオボードが届くまではBLACK METALを使っていました。


でも、先に書いたように専用オーディオボードも(専用と冠するだけに)やっぱり悪くないわけで、「どちらにしようかな」とかなり迷ったのですが、最終的には専用オーディオボードを使うことにしました。

純粋に音だけを基準にするなら微差ではあるけどBLACK METALを選んだと思います。でもインテリアとしての見た目は圧倒的に専用オーディオボードの方が良いわけで、それらを総合的に評価した結果と言えます。

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もしメインシステムの話だったら音優先にしたところだけど、SC-C50はあくまで手軽に音楽を聴くためのサブシステムなので、音の差がそれほど大きくないのであれば見た目が美しい方を選びますよね。
※専用オーディオボード+BLACK METALという組み合わせについては、今後のお楽しみにしておこうかと。


と言うことで、キャンペーン後に購入したため専用オーディオボードが手に入らなかったとしても、市販のインシュレーターを使うことでSC-C50の音質強化は十分に可能なので、ぜひ試行錯誤してみて下さい。そうするだけの価値がある機器だと思います。