ゴールデンウィークの最終日。DEQ2496のオートイコライジングを試してみました。
測定用のECM8000を雲台を取り外したカメラ用三脚に取り付け、amazonで購入しておいたマイクケーブルを接続。
DEQ2496で発生させたピンクノイズをスピーカーから出し、マイクで拾ってRTA(リアルタイムアナライザー)に入力してみたところ(所謂スピーカーの出力周波数特性の測定)、問題なく動作してくれました。
GEQ(グラフィックイコライザー)のターゲットカーブは、マニュアル推奨通りに100Hz以下はOFFにしカーブはフラットにしてAutoEQをスタート(Room Corr:空間補正機能はONにしています)。
しかしながら暗騒音測定の後ピンクノイズは出力されるものの、EQの自動調整が行われている様子がありません。
おかしいなと思い、今度はDEQ2496の前に座って再度AutoEQをスタートさせ画面をじっと見ていたところ、「ピンクノイズが小さすぎるので出力レベルを上げてください」という意味のメッセージが数秒間表示されていることを発見。普段聞いているくらいの音量では小さすぎるようです。
DEQ2496のノイズ出力は-10dBになっているので、プリアンプのボリュームを大きく上げて再々度トライ。ようやくEQ自動補正のプロセスまで辿り着きましたが、動作確認のためにDEQ2496の前(左スピーカーの左横)に陣取っている私自身が測定の邪魔になっているはずなので、この結果は保存せずにもう一度AutoEQを実行。左右のchを個別に測定し、補正結果を保存しました。
これがAutoEQの補正結果ですが、事前の想像とは随分違っていました。
- 外したはずの20Hzでプラスの補正が効いているのは、ターゲットカーブ設定のミスだと思います。
- 黒丸が左ch、白丸が右chを表していますが、高音域を見ると左chの補正量が右chよりも大きくなっています。リスニングポジションから見て左側は普通の壁で、右側はハイサッシの前に厚手のカーテンを掛け(Guarneri mementoの塗装変色対策のため)、そのカーテンの前に反射材代わりに衝立を立て、壁/衝立の1次反射ポイントにはピラミッドカバーを設置してあります。当然、カーテンがかかっている右chの補正量の方が大きくなる(カーテンで音が吸収されるため)と思っていたので、まさか逆の結果になるとは!
- 300Hz、800Hz、1KHz、2KHzでマイナス補正が大きくなっています。ということはこの辺りに周波数のピークがあるということですね。
- 補正量の差はあるものの、1kHzより上では左右chの動きがほぼ連動しています。一方100Hz〜1KHzでは補正量の上下動が(特に左chで)大きいので、この辺りの帯域がルーム環境が非対称であることの影響を大きく受けているみたい。
- 全体を眺めると、高音域でのプラス補正が右肩上がりになっています。つまり部屋によって吸収されすぎているということですが、それほど不満は感じていなかっただけに意外でした。恐らく私の耳の性能劣化によってほとんど聞こえていない帯域なので、減衰していることに気がつかなかったのだと思います。
設定ミスの20Hzの補正をゼロにした後、何曲か試聴してみましたが、全体的にちょっと味気ない音ですね。また高音の補正量が大きい割に高音がきつくなった印象はさほど感じないので、やはり私の耳には聞こえていないのでしょう。
音色については ???という感じですが、ことサウンドステージに関しては、ボーカルや楽器の定位が以前よりもビシッとしているし、音程の変動による定位の揺れもほとんど感じません。左右の音場の拡がりも均等に感じるので、左右chのバラツキに関してはきっちりと補正できているようです。
次のステップとしては、この補正カーブをベースにして私好みの音色に近づけていきたいと思います。
(つづく)
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