memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

HAP-Z1ES のDSDリマスタリングについて

Z1ESにコピーした音源のザッピング試聴をしながら、DSDリマスタリングをON/OFFして効果を確かめてきました。
以前の日記では、DSDリマスタリングをONにすると「しなやかさと艶やかさまで表現する」と書きましたが、その印象自体は変わっていません。またROCK/POPS系はOFFの方が良いというのも概ねその通りですが、もう少し詳しく書いてみたいと思います。


まずDSDリマスタリングの効果として感じるのは以下の通り。なおオーバーサンプリングはプレシジョンモードを使用し、DSEEはOFFにしています。

  1. 音がしなやかに、艶やかになる
  2. 残響音(響き)の量が増える
  3. 音の厚みが増す
  4. 音の立ち上がりにタメができるように聞こえる
  5. 結果として音の生っぽさがましたように聞こえる場合があるが、逆にアタックが遅くなってモサッとして聞こえる場合もある
  6. また音源にもよるけど、中低音がこもったように聞こえることがある


これはあくまで私見ですが、DSDリマスタリング効果の善し悪しを決めているのは、上記の4番目のポイントのように思います。例えばヴァイオリンだとタメがあると音の情緒性が増して、より生っぽくなったように感じます。弦楽器全般、女性ボーカルといったアコースティック系、あるいはエレクトロニック系でもテンポがゆったりした楽曲なんかは概ねONの方が良いですね。


一方、音のアタック感/切れ味が重要な楽曲だと、立ち上がりのスピードがほんの僅かに遅れた感じが付きまとってしまい、ノリが悪くなってしまいます。
また(音数が多い楽曲だと特に)音の厚みや残響音が増すことが却って混濁感(分離感の悪さ、見通しの悪さなど)を招いてしまうこともあるので、例えアコースティック系でも交響曲はOFFの方が良いと感じる場合もありました。


確かにDSDリマスタリングはハマると非常に効果的なのですが、逆に合わない時の副作用(違和感)も大きいので、意外に使いづらいなぁと感じるようになりました。
一つのアルバムを通しで聴く場合はON/OFFの適切な方を選んで使えばよいのですが、Z1ESの“おまかせチャンネル機能〜朝のおすすめ、深夜のおすすめ、リラックスなど13テーマから選べる〜”を使ってBGM的に聴く際に楽曲(トラック)によってON/OFFするのは流石に面倒なので、基本的にはOFFにして聴いています。


なお先日も触れましたが、同じように内部で5.6MHzのDSDに変換しているMA1 DACでは上記のような違和感はほとんど感じないので、その差がZ1ESとMA1 DACの価格差の現れなのかもしれません。


最後に余談ですが、“おまかせチャンネル機能”は結構使えます。
例えば自分自身で「深夜におすすめの曲」を選ぼうとすると、音楽ジャンル、アーティスト、アルバムという視点でイメージに合いそうな既知の曲をセレクトしますが、この機能は個々の楽曲自体を解析して曲調やリズムでもっておすすめを選ぶので、思いもかけない曲や、CDを買った時に一度聴いただけで記憶にない曲がかかったりするんですよね。その意外性が新鮮で楽しいです♪


ただし難点が1つあって、楽曲によって音量の差が激しいんですよね。ボリュームノーマライズ機能をONにして音源コピーすれば音量差の是正は可能なようですが、私は音源データに何らかの手が加わることがイヤなのでボリュームノーマライズ機能はOFFにしています。
本体への音源コピー時ではなく楽曲再生時にボリュームノーマライズできれば嬉しいのですが、これってファームウェアアップデートで何とかならないものでしょうかねぇ...ソニーさん。