メインシステムでは効果がよくわからなかった仮想アースver.2を、ヘッドフォンオーディオシステムで試してみましたが、残念ながらやはり効果は感じませんでした。要するに仮想アース自体のアーシング効果が弱いということでしょう。
ということで、仮想アース製作はver.3に移行します。
ver.3は線材を直接備長炭に巻き付けるタイプですが、隙間を備長炭粉で埋めるかどうかを判断するために備長炭粉の電気抵抗を測定しました。以下はその結果です。
※上記4,5:水分を吸収して固化した備長炭粉
乾燥状態ではキロオーム水準と高い数値なので、隙間充填材としての意味はさほど無さそう。
しかしながら水分を含ませると電気抵抗は一気に下がり、備長炭粉が固まるくらい水分を加えると数十Ω水準となりました。備長炭に接している領域ではさらに抵抗値は下がって10〜15Ωくらいにはなりそうです。
従って、備長炭粉を固めるくらいの水分を入れてやれば、備長炭の隙間充填材としてアース効果を強化してくれることが期待できます。
この結果を受け、ver.3は備長炭粉で備長炭棒の隙間を埋め、さらに備長炭粉を固化させるくらいの水を加えることに決定。
方針が決まったので早速製作に取りかかります。
これに備長炭粉を入れて隙間を埋めますが、その前にこの状態での効果を試してみました。
が、残念ながらやっぱり効果はわかりませんでした(PL-Lに接続)。
ということで予定通りに備長炭粉で隙間を埋め、さらに水を加えました。
これでダメなら仮想アースは断念するつもりで試聴を開始。
- 低音のダンピングが僅かに良くなった気がする
- 響きが少し整理されたせいか、見通しが少し良くなった気がする
う〜ん。残念ながら明確な効果とは言えないですね。
やっぱり備長炭自体の容量が足りないのかもしれません。
あるいは、オーディオデザインさんの技術コラムの中に「シグナルグラウンドは多くの機器を信号ケーブルで接続するほど安定する」と書かれていたので、そのせいなのかもしれません。何せ我が家はピュアオーディオとビジュアル系機器合わせて15台が接続されていますから。
というわけで7回にもわたって書いてきた仮想アース製作ですが、これで状況終了といたします。残念な結果ではありましたが、結構楽しかったのでそれで良しとします。
ただ仮想アースの効果はあるはずだと思っているので、もしかすると将来リトライする気になるかもしれません。その際には今回の轍を踏まぬよう、良質備長炭だけの大容量バージョンにしてみたいですね。