★7/20追記:ヒューズ交換を行った際、下記の行程中に不必要な箇所があることがわかったため修正しました。
2010年12月に導入した当初から頭にはあったものの、中々踏み切れなかったYSP-2200の電源ケーブル交換をようやく実行しました。
実は一昨年に電動ドライバーを導入した際(※ネジの数が多いため電動ドライバー無しに分解/組み立てをする気になれない)、一度分解を試みています。その際は結局分解手順がわからずあきらめたものの、確認できたこともありました。それは純正の電源ケーブル(2芯)がプラスチックのターミナルプラグで基板に接続されていること。従ってキレイに仕上げようと思ったらそのターミナルプラグを入手しなければならないわけです。
当初は一度分解してターミナルプラグを調査、ネットで同じものを入手してからあらためて本番作業にかかろうと思っていました。理由は故障修理もしくはリセール時の原状復帰のためです。しかしながらYSP-2200の実勢価格自体がどんどん下がり、さらにはYSP-2200の後継機であるYSP-2500が発表されたこともあって、もう原状復帰に拘る必要性は無いと判断。電源ケーブルは基板直づけでいいと思うに至ったため、ようやく実行に踏み切れたという次第です。
さて前置きはこのくらいにして本題に入りましょう。
今回使用したケーブルはゾノトーンの6N2P-3.0 MEISTER。選択理由は2芯だったことと価格が手ごろだったこと。標準ケーブルの長さより少し長めの2mを購入しました。届いてみたら写真で見るより派手な蛍光ブルーっぽい色だったので、ちょっとビックリ。
Zonotone(ゾノトーン) 6N2P-3.0Meister(1m) 電源ケーブル(1m単位で切り売り可能です)
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実はケーブルを筐体に固定するケーブルクランプも購入していたものの、クランプのサイズが大きすぎて取り付け不可であることが判明。これにどう対応するかが大きなポイントではありましたが、その話はまた後で。
【分解】
- 本体背面のネジ(黒13本+2本)を外して横長端子カバーを取り外す。外すネジは端子カバーを固定しているものだけです。
- カバーを取り外すと現れる本体上面後部のネジ(黒10本)全部
と、中央にある銀色のネジ2本およびプレートを外す。 - 本体をひっくり返すと左右両端に3つずつの穴があるので、矢印がついた穴の奥にあるネジ(2本)を外す。
(注意点)
- 1で外すネジは、左右両端の2つのネジだけが長く、それ以外は同じネジです。
- 2で外すネジ(黒)は1のネジ(黒)と分けて置いておきましょう。
- 以前トライした時は3のネジに気づかなかったため分解できませんでした。かなり奥まったところにあるので長めのドライバー(+)が必要です。
- 上記の1〜3の作業により、本体の天板を外せるようになります。前側で引っかけてあるので、後ろ側を持ち上げて引っ張ると外れますが、裏面にフラットケーブルがついているので注意してください。
- 本体後部から見て天板裏面左側にあるフラットケーブルが本体基板に接続されていますので、基板側のターミナルを外します。そうすると天板を完全に取り外せます。
ちなみに天板は裏面のスライド金具で止めてあるだけなので、左右に引っ張ると2分割できます。
【電源ケーブル取り付け】
本体後部から見て右側にある電源部。ちなみにヒューズは6A(ミゼット)でした。
基板から純正電源ケーブルのターミナルを外し、ケーブルを筐体に固定しているクランプを上に引き抜くと電源ケーブルが外れます。
クランプを固定してある箇所の幅はゾノトーンのケーブルの外径(11mm)とほぼ同じなので、最初はケーブルを内部まで引き込んでハンダ付けしようかと思ったのですが、その場合ケーブルをどうやって本体に固定するかが問題となります。
そのために買っておいたケーブル固定クランプは、先に述べたようにサイズが大きすぎて取り付けできませんでした。クランプの代わりにケーブルの途中2カ所に熱収縮チューブで段差(窪み)を作って本体に嵌めようとか、ケーブル固定クランプの片側(締め付け側)を本体内部に入れてストッパーにしようとか考えたのですが、いずれも安定性(安全性)という点で不安があるので却下。最終的には本体に引き込むのは内部の芯線2本のみとし、芯線だけを純正のクランプで固定することに。ただし純正ケーブルよりも芯線が太いので、クランプの内側をやすりで少し削って固定できるように加工しました。
これでケーブルの固定方法は決まったので、次は基板への接続方法です。
最初は純正ケーブルのターミナルを外すと出てくる2本の電極にゾノトーンのケーブルの芯線を巻き付けてハンダで固定する方法を考えていました。しかしながらゾノトーンの芯線は3スケアと太く、電極に巻き付けるのはスペース的に困難だと判明(HOTとNEUTRALが接触しそう)。芯線の先っぽだけを電極にハンダ付けするのは強度的に不安だったので、芯線を上から下に電極に沿わせるように配置し、それをハンダで固めるという方法を採用しました。途中過程なので写真には写っていませんが、ハンダ付けした箇所はテフロンテープで巻いて絶縁してます。なお極性は、本体後ろ側から見て左側の電極がHOT、右側の電極がNEUTRAL(多分これで合ってます)。
でも今考えると、どうせ原状復帰はあきらめたのだから、電極を逆ハの字型に外側に折り曲げそこに芯線を巻き付ければ良かったとかなり後悔しています。理由は電極と芯線との直接接触面積を確保するためです。私が採用した方法だと芯線の極一部しか電極に接しておらず、そのことが音に影響しているのではないかと...。この話は試聴パートで触れましょう。
【組み立て】
もし自己責任にて電源ケーブル交換やヒューズ交換にトライされる場合、組み立て(ネジを取り付ける順番)は下記の順序で行うことを強くお薦めします。特に本体裏面ネジを取り付ける順番に注意してください。
分割しておいてあった天板を組み立てる(片側についているプレートを、もう片側の溝にはめ込む)。組み立てた天板の前側を本体にはめ込み、左側のフラットケーブルのコネクタを基板に差し込み、天板後ろ側を下ろして本体に固定する。この際、天板中央分割箇所のプラスチックのパーツ(ギザギザがついている)の後ろ側が天板上面から下に陥没していないかどうかを確かめる。陥没状態になっていると、後で取り付ける銀色のプレートが取り付けられない(ネジが締まらない)ので注意してください。- 次に、本体裏面の2カ所のネジを取り付けます。このネジは本体の奥まった箇所にあるため、ネジ自体をネジ穴にセットするのが非常に困難。最初はピンセットを使ってやってみたのですが、うまく入らずに本体内部のどこかに入り込んでしまいました。逆さにして振ってもカラカラと音がするだけで落ちてきません。実は私はこの本体裏面のネジ取り付け作業を最後にやったため、ネジ探索のために本体を再度バラさざるを得ませんでした。そういう失敗から、裏面ネジの取り付け作業は他のネジ取り付け作業よりも先にやることを強くお薦めする次第です。ちなみに行方不明のネジは本体左右両端にある囲われたスペースの中で発見されました。再トライの際はドライバーの先端にガムテープの粘着材をこすりつけてドライバーとネジを固定することで、首尾良くネジ穴に入れることができました。
- 天板後部の黒いネジを取り付ける。
銀色ネジでプレートを固定。このネジが締まらない場合は天板中央(分割箇所)のプラスチックパーツがうまく填まっていないことが考えられます。 - 最後に端子カバーを被せてネジを取り付けます。
【電源プラグ装着】
今回はオヤイデP-037を使用しました。ケーブルとプラグの色がマッチしていて、単体ケーブルであればこれはこれでカッコいいと思うのですが...。
【完成状態】
ラックの上に置いてみました。電源ケーブルの色が蛍光色っぽいブルーのため悪目立ちしてます。もっと地味な色のケーブルにすればよかったと思ったものの後の祭り...(^_^;
【試聴】
20時間経過時点なのでまだエージング途中だと思いますが、思っていた音とは随分違いました。これがゾノトーンのケーブル本来の音なのか、あるいは基板へのハンダ付け方法の影響を大きく受けたものなのか判断がつきません。故にちょっと疑心暗鬼になっていて、そのうちヒューズ交換と同時に基板へのハンダ付けをやり直そうかと思ったりしています。今後エージングが進んで満足のいく音になればよいのですが...。
とりあえず、暫定的な感想を書いておきましょう。ちなみに思っていた以上に音が変わったので自動音場補正はやり直し、かつトーンコントロールとサブウーファーレベルは補正無しの状態に戻した上での感想となります。
- 良くいえば音が上品、悪くいえば大人し過ぎる。どちらにせよ、耳障りな音はほとんど出ない。クラシックを聴くには合いそうな感じ、なんだけど...。
- これまでは若干薄っぺらかった中音域が一転、厚みのある中音に変身。そのせいか、高音と低音がロールオフしているように感じる。実は純正状態では低音過剰気味だったため、サブウーファーのレベルを-0.5〜-1dB程度で使用することが多かったが、現状では逆に+0.5dBに上げた。またトーンコントロールもBassを+0.5dBとした。Trebleはこれまで同様+0.5dB。
- 調整によって低音と高音のバランスは改善された。低音は以前よりも深い音が出ているし量感もあり、高音もちゃんとでているのだが、高音に関しては金属音やガラスの割れる音などの鋭角的な音に関してもの足りなさを感じる。
- 自動調整をやり直した影響かもしれないが、何故かサラウンド感は強くなった。またDSPモードの違いも以前に比べてわかりやすくなっている。音の分離が良くなり、情報量(響きを含む)が増えた結果かも。ケーブル交換の効果もあるだろうが、意外にP-037が効いているような...。
- 各種調整後のボリュームレベルは、従来よりも+2〜3くらいで丁度良い感じ。電源ケーブルを変えることで音圧が上がる(故にボリュームレベルを下げなければならない)のではないかと思っていたのに、逆の結果となった。ただしこの点に関しては自動調整によって各Chの音量レベルが変わった影響もあるので、一概に電源ケーブルの影響だとは言えない。
高音のもの足りなさはエージングによって解消されるかもしれませんが、この音の質感〜上品で優しい感じの音〜は6N2P-3.0 MEISTERの特徴なのかもしれません。だとするとエージングが進んでも大して変わらないかも...。
正直、Visualシステムの音としては少し大人しすぎる感じがしていて、ヒューズ交換とハンダ付けのやり直しを考えているというのはまさにこの大人しさ故。次の週末までエージングを続けて、それでも違和感があれば対策を考えましょう。最悪、別の電源ケーブルに交換することも視野に入れつつ...。
※7/20の追記について。天板後部の銀色のネジとプレートを外すと天板が分割できますが、電源交換やヒューズ交換に当たってはその必要がないため内容を修正しました。なお天板接合部分の強度はあまり高くないので、注意して取り扱うことをお薦めします。