19日の夜、今井信子さんの夢コンサートに行ってきました。このコンサートは今井信子さん自身が企画する年一回の室内楽シリーズで、その第1回目となります。
そもそも出不精故にコンサートにはほとんど行かないのですが、最近オーディオも落ち着いてしまって来年の夏までは(資金的問題で)やれることがなさそうなので、「久しぶりにクラシックコンサートにでも行ってみるか」と調べてみたら、たまたま見つけたのがこのコンサート。公演の2日前だったのですが運良く当日引換のチケットに空席があったので購入した次第。
今井信子さんは好きなアーティストだし、ヴィオラの音を生で聴いてみたかったし、紀尾井ホールは弦楽器には合っているホールみたいなので、突然思い立った割には色々な意味で良い公演のチケットがとれてラッキーでした。
2013年11月19日 19時〜 紀尾井ホール
ピアノ:フランソワ・キリアン
【前半:ヴァイオリン】
●伝ジェミニアーニ:ヴァイオリン・ソナタ ハ短調
●ストラヴィンスキー:オペラ“マヴラ”より ロシアの乙女の歌
●ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 作品24「春」
【後半:ヴィオラ】
●ブリテン/今井信子編:組曲第2番 作品80(原曲/無伴奏チェロ組曲第2番 作品80)
●武満徹:鳥が道に降りてきた
●ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第1番 ヘ短調 作品120-1
クラシックのCDはよく聴くけど、曲や演奏についての理解は全く無いので、そういう観点でのコメントは書けません。そのかわりにオーディオ好きのクラシック素人が感じた感想を書いておきます。
ちなみに私の座席は1階の左列・後方(16列5番)で、ホール(1階のみ使用)はほぼ満席状態でした。
1曲目のヴァイオリン・ソナタが始まって直ぐに感じたのは「ヴァイオリンの音って意外に小さいなぁ」ということ。ピアノの音が結構響くので、バランスが悪く感じました。それとヴァイオリンの音が少しこもった感じに聞こえて、高域の伸びやかさも今ひとつという感じ。暖機が十分でないアンプで聞く音みたいです。これはそもそもそういう演奏をしているからなのかもしれませんが、私の知識では判別不能です。
オーディオ的観点で言うと、ピアノの低音の出方(響きの量感や深さなどなど)は参考になりました。わかってはいましたが、我が家のシステムは低音が弱いということを再認識させられた次第。でもスピーカー変えないとどうしようもないよなぁ...。
2曲目と3曲目は先のこもった感じが無くなり、普段聞くヴァイオリンのイメージに近かったです。面白かったのは、目を開けて聞くよりも目を瞑って聴く方が、サウンドステージを感じ取りやすく、立体感を感じられたこと。CDの音との比較をするという意味では、目を瞑って聞いた方が比較しやすかったのですが、それだと生のコンサートを見に来ている価値が半減するので、2曲目の途中からは目を開けて聞きました。
前半のヴァイオリン演奏を通じて感じたのは、今井信子さんの弾くヴァイオリンは優しい感じがすること。年齢も召していらっしゃるし優しそうなお人柄なので、そういう音になるのかもしれません。
後半は本職のヴィオラに持ち替えての演奏。ヴァイオリンに比べると低音が強く響きも豊かで音に厚みがあって音量も大きいです(当たり前か...)。
4曲目と5曲目はヴィオラのソロ演奏でしたが、これがとんでもなく素晴らしかった!この2曲を聞けただけでこのコンサートに来た価値があったと思いました。
静寂の中に響くヴィオラの音の一つ一つが心に浸みてきて、思いがけずうるうるしそうに...。今井信子さんのCD「祈り」を最初に聞いた時に感じた感動が(曲は違うけれども)蘇ってきました。
6曲目は再びピアノ伴奏が入ります。ヴァイオリン・ソナタほどでなないにせよ、やっぱりピアノの音の響きが少しだけ強すぎる感じがしましたが、演奏そのものはとても楽しめました。
アンコール曲は私でも知っている美しきロスマリン。CDはヴァイオリン版しか持っていないのでヴィオラ版は初めてです。軽快なヴァイオリン版とは一味違っている感じですね。何より、今井信子さんが楽しんで弾いているのが伝わってきたのがとても良かったです。
概ね2時間強のコンサートでしたが、先に書いたようにヴィオラのソロ演奏には本当に感動しました。部下の視線を感じつつも仕事を早く切り上げて来ただけの甲斐がありました。週末はじっくりと「祈り」を聞き直してみようと思います。
ちなみに第2回は来年の11月で、今度は弦楽5重奏だそうです。早めにスケジュールを入れておかないとですね♪
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