デジタルケーブルに先んじて入手した電源ケーブルというのはTransparent PLMMです。現行モデルはPLMM2を経てPLMM2Xに進化しているので、2つ前のバージョンですね。
Transparentのトップラインの製品では、昔RDLとRAESを使ったことがあります。情報量が多く精密な音である点は良かったのですが、何となくストイックな雰囲気があるところが引っかかってしまい、結局2本とも手放してしまいました。その経験からTransparentの製品にはそんなイメージ(先入観)を持ってしまっており、積極的に使いたいとは思わないブランドになってしまっていました。
なのに今回何故PLMMを入手したかというと、Powerbank8(現在、メインシステムの給電を全てまかなっている)の印象から、電源アクセサリー系と音声系とは方向性が違うのではないかと思ったことが1つ目の理由。ちなみにPowerbank8について触れておくと、S/Nが上がるけれども音が死なず(鮮度感が落ちない)、デジタルケーブルで感じたストイックさも全く感じられないのでかなり気に入っています。
2つ目は、現在Powerbank8用の電源ケーブルとしてNBS Professional3を使用していますが、同じTransparent製にすればもっと良くなるのではないかと思ったこと。
3つ目は(DオーディオのK氏のプロモーションの影響もあると思いますが)PLMMってかなり評判が良かったので一度使ってみたかったということ。
そして最大の理由は、以前は中古であっても価格が高くて手が出なかったけど、新型が発売されて旧型の中古価格がかなり下がってきているので、ようやく手が届くようになったことですね。
で、使ってみた感想は次の通り。
- 無音時の静けさがさらに増した気がします。これまでそれなりに電源系の対策は施してきているのでノイズフロアはかなり低いのではないかと思っていたのですが、まだまだ改善の余地があったということでしょう。
- 中域の力強さが若干弱まりました。客観的にいえば今までよりもフラットバランスになり、ボーカル域での見通しが良くなった感じではあります。
- 反面、ちょっとクールさ(冷めた感じ)が増したかなと。もちろん絶対的に見ればクールという音ではありませんが、これまでよりもクール方向にちょっとシフトしてしまって、冷めた目線というか、熱さが薄れたというか、そんな感じが少し見え隠れします。
- 低域も高域もきっちり出ます。情報量と解像力はNBS Professional3より若干良い感じ。
- 期待したサウンドステージの広がり(特に奥行き感)については残念ながら(これまでと)ほとんど変わりませんでした。
総合的な評価としては微妙ですね。やっぱりNBSの方が良いと思う点もあるし、PLMMの方が勝っている点もあるし、判断に迷っています。
もう少しこのまま聴いてみて、その後Wadia521で試してみることにしましょう。