先日の日記で「音がエロエロになってしまった」と書きました。
初日は間違いなく“エロエロ”だったものの、翌日の夜に聴いたときには何故か“エロエロ”から“エロ”くらいにエロ度が下がっていました。
その理由を考えてみました。ご存知かどうかはわかりませんが、D-PROP Extendの内部にはダブルスパイク(2段重ねのスパイク)が納められていて、その周りは特殊なスティッキー溶液(餅のような粘性とバネ性を有している)で満たされています。実はD-PROP Extendを開封して手に取った際、宅配ロッカーに半日以上置かれていたためかものすごく冷えていたのをよく憶えています。おそらくその低温状態によってスティッキー溶液の粘度が通常状態よりも高くなり、それが“エロエロ”な音をもたらしたのではないかと思います。
http://www.kryna.jp/product/dprop.html
と言うわけで良くも悪くも“エロエロ”ではなくなってしまったのですが、元の“真面目な音”が“エロい音”に変化したことに変わりはありません。ちなみに“エロい音”というのは多分に象徴的な意味合いで使用していますので、もう少し具体的に特徴(印象)を挙げておきます。
- 低音の量感が増し、弾力性があって深い低音に!(初日はゴムまりのような弾力性だと感じたが、2日目はバスケットボールくらいに締まってきました。それでも以前に比べるとかなり弾力性のある低音です。)
- ゆっくりしたテンポの音がこれまで以上にゆっくりとしているように聞こえる。一方、速いテンポの音はあまりかわらないので、言葉が適切では無いかもしれないけれど“緩急のダイナミックレンジ”が拡大したかのよう。
- 初日は“生っぽい(生演奏っぽい)”というよりは、“(生きているかのような)なまっぽさ”のある音でした。いくら何でもちょっと過剰すぎると思っていたところ、2日目は“なまっぽさ”が幾分収まって“生っぽい”音の方に近くなりました。とは言え、この“生っぽさ&なまっぽさ”がD-PROPの最大の特徴(エロさの源泉)であり、ヴァイオリンをはじめとする弦楽器の音はかつてないほど艶めかしいです。
- 「微粒子がまき散らされたような響き」という言い方があるけど、それとは対照的に、霧が漂っているかのような響きです。響きの持続時間も心なしか長くなっているように感じるけど、これはプラセボかも?。
- 楽器の定位がピシッとして、サウンドステージが明快です。従来に比べると、上/左右/奥行きの3方向でサウンドステージが少し拡大しました。
良いことばかり書きましたが、残念ながら課題点もあります。
- 初日は音の立ち上がりが遅くキレも悪かったけど、2日目はずいぶん改善された。でも以前に比べるとスピード感が落ちているように思う
- これはCDによって違うのだけれども、何かモヤッとしている(透明感/見通しが僅かに下がった)ように感じる時がある。
これも飽くまで推測に過ぎませんが、どちらもD-PROP Extendのスティッキー溶液の粘度の高さに関係しているような気がしてなりません。もしかすると気温(室温)が高くなってくると改善されるのではないかと思っているのですが、本当にそうだとするとスティッキー溶液を封入したExtendタイプではなく、より粘度が低い液体を封入した通常タイプの方が良かったかもしれません。
PL-L用に同じExtendタイプを導入した際には何も問題がなかったので今回もExtendタイプを導入しましたが、片方を通常タイプにしておけば組み合わせを変えられたのでちょっと後悔。
いずれにしても当初の目的であった「真面目な音の改善」は完全に達成できました。TL3Nに関して言うと、今はどのCDも楽しく(面白くと言った方が良いものもありますが)聴くことができます。(実はUX-1の方は若干問題もあるのですが、その話はいずれ触れることがあるかもしれません。)
これでサブトランスポートラインはTL3N、PL-L、SS-010の3台がD-PROP Extend(miniタイプを含む)になったので、どうせならWadia521もD-PROPにしたらどうなるかという好奇心が沸々と! 流石に今すぐは無理ですが、余裕ができたら今度は通常タイプを導入してみようかなと思ったりしています。
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