日曜日に交換して3日が経過。M1 DAC、m903、iD100の電源を入れっぱなしにしていたので、通電時間は70数時間というところでしょうか。
日曜の夜に試聴した印象は「ピアノの響きが、やや華やかめですごく綺麗」というものでした。でもこの音って何かに似てるよなぁと一生懸命考えてみたところ、「これって“銀(内部配線の純銀線)”の音かも」と気がつきました。ピアノ曲しか聞いていないので断言はできないものの「ETP-600CU自体の音は無色透明なのかな?」と思った次第。
ところが日がたつにつれ、また他のジャンルの曲を試聴するに伴い、初日の印象は大外れであったことが判明。実のところ、今(水曜日の夜の時点)の音がETP-600CU本来の音なのかはわかりません。何となくですが、まだ変わりそうな気がしています。
というのも、あの純銅の塊(プラグ)のエージングがそんなに早く完了するとは思えないんですよね。それに現時点で不満に思っている点って、エージングが終わっていないケーブルなんかでよく感じるものに近いところが多いのです。
なので最終的な評価はもう少し先送りにします。ただ、これは明らかにETP-600CUの特徴だと思える点があり、それが今までのオーディオ経験の中で初めて聞くタイプの音だったので、途中経過として書き留めておこうという次第。
その特徴というのは、
“温度感が高く、ものすごい弾力性があり、最低域までしっかりと出た、凄味すら感じる「低音」”
です。ピアノ曲では感じにくかったのですが、POPSを聞くと如実にわかります。こんな低音は聞いたことがありません。そもそもどちらかと言えばクールなm903(ヘッドフォンはEdition8)からこんな音が出るなんて想像だにできませんでした。これまでの音とは全く異なります。インレット一つ(厳密に言えば内部配線のルート変更もしていますが、たぶん関係ないでしょう)でここまで音が変わるとは全くの予想外の事態。今まで交換してきたコンセントよりも変化が大きいです!
だからといって手放しで喜べるかというと話は別で、はっきり言うと現時点の音には不満がたくさんあります。低音自体は一つの方向性として許容できる点もあるのですが、それ以外の点では不満たらたら状態。具体的に挙げてみると、
- 中高域の見通しが悪く、ベールがかかったような状態。
- 高域の伸びがいまいち。少し詰まった感じ。響きもいまいち綺麗ではない。初日はよかったのに...。
- 中高域に繊細さ、滑らかさがない。どこか雑に感じる。
- 低域の温度感が高すぎて、中高域とのバランスが非常に悪い。
- 低域の締まりが弱く、膨らみすぎ。凄味があるところはよいのですがねぇ...。
といった感じで、明らかに不満点の方が多い状態なのです。
もしこれがETP-600CU本来の音だとしたら即交換決定ですが、先に触れたようにまだまだ本調子ではないような気がするんですよね。なので1ヶ月ほどは我慢して聞き続けようと思います。
ただ、UX-1に交換した際の評価が高いというのは何となくわかる気がしました。この低音がUX-1に加わると、ガラッと音が変わると思うんですよね。それもDRVSメカというかEsotericトランスポート(プレーヤー)のネガティブな点を打ち消す方向で。
でも個人的にはこの音をメインシステムには入れたくないです。故にUX-1のインレット交換をする気は失せましたが、「TL3Nだったら面白いかも」という気が再度沸々と湧いてきました。かなり個性的な音になりそう!
オリジナルのインレットは外さず、ETP-600CUを固定せずに仮線をオリジナルインレットの基盤接続端子に半田で借り止めすれば、TL3N+ETP-600CUの音をある程度判断することができるかもしれません。もしMTB-4のインレットはETP-600CUではない別のものに再交換する場合には、取り外したETP-600CUをTL3Nにつないで実験してみようかと思います。