(前回のつづき)
“さらなる手”というのはKRYNA PRO TubeRadiatorです。真空管の大きさに合わせてTR-1からTR-4の4サイズがあります。12AX7、12AT7にはTR-4が対応。
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PLUTONのサイトから特徴を引用すると
真空管内部の温度が均一化されて真空管の寿命が延び、特にS/NがUPします。
1つ使用すると真空管全部に使いたくなります。
具体的な効果としては、例えばパワーアンプに使用した場合では
●出力管に使用した場合
特に高域の解像力が良くなります。
●位相反転管・初段管に使用した場合
音場空間のS/Nが良くなります。
●整流管に使用した場合
キツイ音が無くなり全体的に滑らかになります。
とのことなのですが、ユーザーレポートを読んでみると「低音が締まり、音程が聞き取り易くなる」という効果を感じた方もいらっしゃるみたい。おそらくチューブラジエーターの装着により真空管自体の振動が抑制されたのだと思います。
“(特にボーカルの)中低域の明瞭度改善”という課題が解決するかどうかは正直やってみなければわかりませんが、仮にダメだったとしてもS/Nが良くなるのならそれに越したことはない、ということで試してみることにしました。
PL-Lは2本の12AX7の設置間隔が狭いのでチューブラジエーター同士が接触してしまいますが、(たぶん)問題なく取り付けることができました。振動抑制効果を期待しているのでリングも併用しています。
でもってその効果ですが、ボーカル中低域の曇った感じはかなり改善されました♪ ベストと言うまでには到っていませんが、聞いていてほとんど気にならない程度までは改善されています。よし、よし!
それ以外の効果としては、中高域の音のキレが多少上がったような気がします。アタックが鋭くなったという感じ。S/N改善については良くわかりません。そもそもPL-Lって真空管アンプとしては聴感上のS/Nが良好で、かつTESLAへの交換によってさらにノイズフロアが下がっているので、そのせいかもしれません。
とりあえずは気持ち良く音楽を楽しめる状態になったので、PL-Lのチューニングは一旦終了とし、しばらくの間は手持ちのCDを聞き直してみることにします。
とは言うものの、何もしないという状態がいつまでも続けられるわけがないので、現時点では以下の3つを今後のトライとして想定。
●PL-Lの電源ケーブルの検討
PL-Lは電源ケーブル交換の影響を受けにくいという話もありますが、とにかく試してみたいと思います。ただし外部電源ユニットは小さくて軽いため、NBSのような固くて曲がりにくいケーブルを使うことは無理。場合によっては取り回しの良いケーブルを新たに調達する必要がありますが、まずは電源ケーブル交換で音が変わるのかどうかを確認したいと思います。手持ちで余っているケーブルの中ではJPS Labs. Digital ACが使えそうです。Digital系専用ケーブルではありますが(多分ノイズフィルターが入っている)、PL-Lはスイッチング電源なので悪くないかも。
●インシュレーターの検討
現状はD-PROP Extendの3点支持ですが、一応C-PROPも試してみるつもり。本来は外部からの振動遮断効果の大きいC-PROPの方がPL-Lには合っているかもしれませんが、以前C-PROPを使用した際に“特有の響き”が気になったのであまり期待はしていません。念のため試してみるという程度です。できればシンプルなスパイク系インシュレーターを試してみたいのですが、手持ちがないので調達しないとダメですね。
●12AT7の交換
実はとあるビンテージ管を取り寄せてもらっています。しばらく時間がかかりそうですが、12AT7の極めつけと言われる球らしいので期待度大!とにかく経験値を高める上では聞いてみざるを得ない球ですが、結果として今使っているMULLARD系の方が好みということも十分にあり得ます。その時はMULLARDの上級管を探しましょう。