memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

antelope ocxの導入を契機としたシステムの大幅調整 #2

で、その日の夜。
いつもなら自宅に帰った後、着替えてすぐにビールを開けるのですが、まずはインシュレーターの調整です。


しかしながら35Kgのアンプのスパイクの下にスパイク受けを入れるというのは想像以上に大変。前の1点は何とかできたのですが、後の2点が実に難しい。片手でアンプ後端中央を持ち上げつつ片方を何とか入れても、もう片方がうまく入れられません。35Kgのアンプって本当に重いのです。


色々考えたあげく、黒檀ブロックを一旦アンプの右端に噛ませ、アンプ左端を何とか持ち上げてまずは左側のインシュレーターを入れ、そろりと降ろしながらインシュレーターを固定し、次に右手でアンプ右端を持ち上げて左手で黒檀ブロックを外し、左手でインシュレーターを入れてアンプを降ろす、という方法にて何とかクリア。
スパイクを入れるだけならさほど難しくはないのですが、スパイクとスパイク受けのセットを片手でアンプの下に入れるというところが難しいのです。


ちなみに我が家の場合、アンプ背面へのアクセスはベランダからでないとできません。冬というだけでも寒いのに、その夜は風も強かったため、体感温度は数度といったところでしょう。その寒空の中、ベランダにて部屋着で行った10分ほどの作業により、見事に風邪を引きました…(;.;)


風邪の話はさておき、インシュレーターのセットアップがなんとか完了したので、アンプが暖まるまでの間しばし休憩。流石にビールは寒々しいので、ワインを飲みながらテレビを見てボーッと過ごします。そして1時間経った時点で試聴開始です。


「夢のお告げ故に間違いはないはず」と思いつつ、ARIAのピアノソロをかけます。


・・・確かに若干情報量は増えたけれども、残念ながら期待したほどではありませんでした…(;.;)




こうなれば残る手段はケーブル調整のみ。手持ちのケーブルで何ともならなかった場合は新規購入する覚悟で臨みます。


システム全体のワイヤリングをいじり始めると収拾がつかなくなりそうなので、クロック周りをターゲットに設定。クロックシステムのデジタルケーブルは全てAET製なので、情報量や高域/低域の伸びについても特に問題ないはず。だとすれば、変更すべきは電源ケーブルですね!


ルビジウム外部クロックに使用しているCardasは情報量と高域の伸びに問題があるケースが多いので、これをクロックシステム(MCGとルビジウム)の電源供給用アイソレーショントランスに使用しているAET SIN ACに交換。これによりMCGおよびルビジウムはどちらもAET SIN ACでの電源供給となるので万全のはず!


そうなるとポイントはアイソレーショントランス用の電源ケーブルをどうするかという一点に絞られます。

手持ちで未使用のケーブルは、NBS STATEMENT、NBS STATEMENT改(中古で購入した時点でWattagate製プラグに変更されていた。もしかして偽物?という不安もなくはない)、CARDAS GoldenReferencePowerの3本。
その他候補としてはヘッドフォンシステムに使用しているMIT ORACLE AC-1、CamelotTechnology PM-650改、Transparent PLP改の3本もありますが、こいつらはうまく嵌っているのでできれば外したくありません。


となると、選択肢の第1候補はNBS STATEMENTとなるわけですが、過去の経験ではNBS STATEMENTとデジタル機器(UX-1、Wadia521、G-0)との相性は良くありませんでした。いずれも高域が詰まった感じ(まさに今抱えている問題と同じ)になってしまうのです。

今回はデジタル機器そのものではなく、デジタル機器用アイソレーショントランスへの給電なので条件は異なりますが、良さそうな感じはあまりしませんね。でもやってみなければわからないのがオーディオの面白いところ。


太くて硬くて曲がりづらいSTATEMENTを配線経路に沿うよう強引に曲げて予め癖をつけ、それでもってP8(Transparentの電源コンディショナー)からアイソレーショントランスに給電します。


クロックシステムの電源を再投入し、20分ほど待って再び試聴開始。


おおっ、高域伸びてるし!低域も(伸び感はともかく)力強くなった感じ。それに艶やかさとまではいかないけれど、音色も少し色っぽくなった...かも。
響きが僅かに粒子っぽいところが気に入らないけど、随分良くなりました!


この状態でのワードシンクON時の感想としては、


・音像がピシッと収束し、ピアノの一音一音が(オルフィサウンドに比べるとまだまだ甘いけど)ピンポイントで定位。和音の鍵盤タッチの微妙な時間差も綺麗に聞き取れる。
・前後の立体感が明確になる。
・音量を絞っても一音一音が明確に聞こえ、低域の痩せ感も少ない。


この状態でルビジウム外部クロックからのデジタルケーブルを外すと、音像のシャープさが後退します。無論ワードシンクOFF状態よりは随分とマシですが、やっぱりantelope単体よりはルビジウム外部クロックを入れた方が良いようです。


なおantelopeからのクロック出力には8番を使用し、176.4KHzを1/4にして(44.1KHzにして)出力しています。7番ではなく8番を使用するのは基盤への配線が短いから。
1〜6番を使って44.1KHzを直接出すことも可能ですが、逸品館制作の説明書によると176.4KHzを1/4にした方が音が良いらしいです。尤も自分で試したわけではないので本当かどうかはわかりません。気が向いたら実験してみましょう。


ちなみに44.1KHz(1/4)と176.4KHz(1/1)の差ですが、


・44.1KHzは音が力強く、彫りが深くて立体感がある。ただし音がやや太くなる。小音量時でも音がしっかりと聞こえるのが良い。
・176.4KHzはフォーカスがより収束し空間の広がりは出る。一方で音が若干細くなり音像の立体感にはやや欠ける。ピアノソロなどはこちらの方が良いかなとも思う。


といった感じ。CDによって変えるのも面白そうですが、基本的には44.1KHzを使用することにしました。




さて、最後にG-0との差ですが、スピーカーの位置を初めとしてシステムを調整し直したので、正直なところよくわかりません(^_^;
直感的にはG-0の方が音が若干ソフトだったような気がしますが、もう一度G-0を入れて試してみないことには判断がつきませんね。


しかしながら今回スピーカーの位置変更をしたため、ラック前面からG-0に入れ替えるのはもはや無理(無論スピーカーを動かせば可能ですが、苦労して位置決めしたので動かしたくはありません)。かといってベランダ側から入れ替えるのも面倒(G-0も結構重いし…)。


そんなわけで、MCGはantelope ocxでいこうかな、と思ったりしています。
G-0のPLL方式よりはocxのDDS(Direct Digital Synthesizer)方式の方が良さそうな気もしますしね。


残る課題は音の艶やかさの強化ですが、これはひとまず置いておこうと思います。
今取り組むよりは、遠くない将来、プリアンプを導入した後で検討した方が良いかな….と。


<追記>
NBS STATEMENTをアイソレーショントランス給電用にインストールしたら響きが若干粒子っぽくなった』という点は翌日には解消されました。NBS STATEMENTはアンプの入れ替えに伴い待機ケーブルにしていたので、本調子ではなかったようです。