memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

1年ぶりのHD650

一昨年の年末にW1000Xを入手したのですが、久しぶりに聞く密閉方式の低音に嵌ってしまい、主使用機をHD650/DT990からW1000Xに変更。DT990の方はたまに使っていたものの、HD650の方はケースに入れて棚の中にしまってしまいました。
そして昨年の秋にE8そしてT1を入手した後は、W1000Xの使用頻度が激減し、現在ではT1メインでたまにE8という2台体制で運用しています。


ベッドサイドには3台のヘッドフォンが置いてありますが(2台はオーテクのスタンドに載せてベッドサイドテーブルの上に、その日聴く1台はHPAにつないでベッドの上に置いてある状態)、ほとんど使わないW1000Xを置いておくのもバカバカしいので、W1000Xはしまってしまい、代わりにHD650を引っ張り出してくることにしました。HD650を使うのはほとんど1年ぶりですね。


HD800が出るまではゼンハイザーのフラッグシップだったとは言うものの、現在の各社のフラッグシップはもう一段上のレベルでの音を奏でているように思うので、どちらかというとネガティブな予想をしつつ昨夜久々に聴いてみたというわけ。


ちなみに我が家のHD650は ALO SXC Cryo 18awg にリケーブルし、発音体前のスポンジをストッキングに交換してあります。故にストックのHD650に比べればシャキッとして分解能の高い音が出るはずなのですが、出てきた音は高域が若干マスキングされ、情報量的にも分解能的にもイマイチと思わせるような音でした。(ALO のケーブルの取り回しの悪さにも閉口...)


1年間使っていなかったのでバーンインが必要かもしれません。その意味で拙速に結論を出すつもりはないのですが、正直なところ「HD650ってこんな音だったっけ?」と思ってしましました。(事前に抱いたネガティブな予想はやっぱり当たっていたと言うことです。)
逆に言えば、T1、E8ってやっぱり凄いということなんでしょうね。もはや耳がT1やE8に慣れてしまっている(T1やE8の音を基準にしてしまっている)から、HD650では物足りなくなったのでしょう。


それでもしばらく聴いているうちに、やっぱりHD650も悪くないなぁと思うようになりました。


最大の美点はやはりサウンドステージや抜け感の自然さかなぁ。T1も良いのですが、HD650の方がもう少し自然かもしれません。


次は、低音の出方がT1ともE8とも異なる点。弾力感があって骨太な低音です。全体のトーンがT1やE8に比べると若干ウォームであることもあり、ちょっと新鮮な感覚を抱きました。クラシックにはピッタリ。


最後は音の出方が自然で纏まりが良い点。情報量的にも分解能的にもT1に劣るのですが、そんなことは気にならないくらい、音が、音楽が、自然に耳に届きます。E8なんかだと耳のすぐ側でエッジの立った正確な音を奏でるので、曲によっては聴き疲れしてしまいますが、HD650だとそんな心配は皆無で、心地よく音に浸ることができます。


もう2〜3日続けて聴いてみるつもりではありますが、初日の印象としては「出番は少なそうだけどクラシック用としてベッドサイドに置いておいてもいいかなぁ」と。


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