現在保有しているオーバーヘッドタイプのヘッドフォンは、ESW9、HD650、DT990(edition2005)、W1000Xの4機種。(STAXは除く)
それぞれに個性と良さがあってそれなりに使い分けてはいますが、先週末にベッドルームでのヘッドフォンオーディオを始めて以降の中心機種はW1000Xです。その最大の理由は密閉型ならではの重くて力強いダンピングの効いた低音。
低音の量感だけならDT990もあるのですが、やはり開放型の低音と密閉型の低音ではその質が違います。POPSやROCKを聴くなら(個人的には)密閉型の方が気持ちいいのです。
とは言うものの、W1000Xが中心機種となっているのは飽くまで手持ち機種の中での相対評価であって、十分満足しているかというとそうでもありません。
もっと強力な低音が欲しい! そして、全体的にもっと厚み/密度感が欲しい!
ちなみに密度感についてですが、リビングでiTransport→Wadia521(DAC)→m902(アンプ)という構成で聴いていた時には気にならなかったものの、現在のND-S1→m902(DAC/アンプ)という構成だと、若干音が薄っぺらく感じます。
おそらくはm902内蔵のDACに因るところが大きいのだと思いますが、ベッドサイドにこれ以上機器を増やしたくはないので新たなDACを導入するというのはNG。
だとするならば、新たなヘッドフォンを導入するというのが一番の早道なのではないかと。
検討対象は各社のフラッグシップ機です。

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というわけで、本命Edition8、対抗T1にて検討することにしました。
WEB上でのレビューを見る限りでは今回の目的にはEdition8の方が合ってそうですが、価格が価格だけに、やっぱり実際に聴いてみないことには確信が持てません。
そこで中野のFujiya Avic(D Style Shop)さんに行って試聴してきました。ちなみにEdition8(Palladium)、T1ともに中古があるらしいので、状態が良ければ中古という選択肢もアリです。
中野ブロードウェイ3Fにあるお店は、思ったよりもこぢんまりとしていました。レジカウンター前に試聴スペースがあり、数台のアンプとヘッドフォンが置いてあります。
お店の方に声をかけ、E8とT1の試聴をお願いし、試聴機を出してもらいました。ソースは持って行ったiPodを使い、ND-S1→m902という我が家のヘッドフォンオーディオと同じ構成にて試聴開始。
評価はPerfumeが如何に気持ちよく聴けるかです。念のため、ARIAサントラで、ピアノと弦楽器の音もチェックします。
試聴開始から10分。
持って行ったiPodを忘れないようにカバンに入れ、おもむろに振り返ってレジカウンターのお店の方にお願いしました。
「Edition8 Palladiumの中古を見せてもらえますか」と。
E8とT1。想像していた以上に性格が異なります。
サウンドステージは広くない(というか狭い)けど、分厚い低音と密度感のある中高域で強力な実体感を感じさせるE8。しかも音の分解能が素晴らしく、一つ一つの音が明快に聞き分けられます。
一方のT1は、広めのサウンドステージの中に繊細さと力強さを合い備えたキレの良い音が広がります。低域から高域に到るまでの音のバランスもいいし、情報量も文句ありません。我が家で使用しているDT990と比較しても、バランスや一つ一つの音のクオリティは明らかにT1の方が上。
もし、1機種だけしか使わないという条件であれば恐らくT1を選んだと思います。でも、今回のテーマはPOPSやROCKを気持ちよく聴くための機種選びであり、その重要要因は“低音”であり“厚み/密度感”なのです。その視点から評価すると、E8の方が明らかに上でした。
今持っているヘッドフォンを全て売り払って、E8とT1の2台体制(あるいはSTAXを入れた3台体制)にするのが一番幸せかもしれませんが、とりあえず今回はE8を選ぶことに。T1については今後の課題にしましょう。
なお試聴機はRutheniumでしたが、購入したのはPalladiumです。デザインだけで考えるとE8 Rutheniumの方が好きですが、指紋ベタベタというのには耐えられないので、Palladiumを選びました。
音が若干違うという話もありますが比較試聴はしていないのでわかりませんし、基本的な音の傾向が違うわけではないので気にしないことにしました。(m902の電源ケーブルを変えた方が音の変化は大きいでしょう)
ネットの中古リストではPalladiumは2台在庫があり、どちらも傷無しの美品で価格も同じでした。店内に入る前に廊下に面したガラスケースに入っている中古品を確認しておいたのですが、確かに2台あるようです。
どちらでもいいと思ってはいたものの、一応現物のチェックをさせてもらいます。自分の気持ちとしては2台を比較して選ぶつもりでいたのですが、あに図らんや、1台しか持ってきません。
『う〜む』と思いつつも、美品であれば比較する必要もないと言えばないので、軽い気持ちでチェックを始めました。
すると、確かに綺麗な個体なのですが、よ〜く見るとハウジングの一部に微かに黄ばんだ箇所があります。『???』と思ったので、もう一台の方も見せてもらいます。するとこちらの方は黄ばんだ感じは全くありません。これぞ美品。
心の中では『これで同じ価格かよ?』と思ったりしましたが、結果として綺麗な方が手に入ったのだから文句はありません。
でもって、すぐに自宅に飛んで帰り、システムエンハンサーを3時間半ほどかけ、23時頃から試聴しました。
手持ちの機種とのちゃんとした比較試聴は今週末の連休にしようかなと思っていますが、ベッドサイドに置いてあるW1000XとDT990の2台と軽く聞き比べてみた印象では、笑っちゃうくらい低音の出方が異なります。とにかく気持ちいいったらありゃしない!
とりあえず初日の感想としては大満足です。
つづく。