TAKET BATPUREの替わりに導入したのはES105A Suonoです。
muRataさんではスーパーツイーターとは呼ばずにハーモニックエンハンサーと呼んでます。でも何故なんでしょう?
ブランドサイトの説明から一部引用させていただくと
「ES105A Suono(R)」は、単に高域改善のスーパーツィーターというものではありません。ご愛用のスピーカーと組み合せてお使いいただくことにより、メインスピーカーから再生される低音から高音までの細部にわたる音情報を引き出し、より自然で生々しい音を楽しんでいただくためのハーモニック・エンハンサーです。
・良好なトランジェント特性の圧電セラミックスにより、音の立上がり、立下りを改善
・セラミック振動板が持つ高い剛性のゆえに非常に繊細な音まで忠実再生
・球形圧電セラミックスの呼吸振動モードにより指向性が広い
・お手持ちのスピーカーと並列接続することで、簡単に使用可
http://www.murata.co.jp/speaker/tw/spec/es105a.html
ということだそうですが、今ひとつメカニズムがよくわかりませんね。
そこでレコード芸術2010年1月号の記事から引用すると、
刮目すべきはトランジェント特性に極めて優れることだ。音の立ち上がり/下がりでの遅延が非常に少なく、その効用として、立ち上がり部に含まれる倍音成分や、下がり部が受け持つ空間感の再現が、このユニットを加えることにより、格段に増強されるのである。本ユニットにより倍音や空気感情報が時間遅れなく再生されることで、中音や低音の記音も改善されるという理屈だ。
http://www.murata.co.jp/speaker/pdf/recogei_01.pdf
さらに「ムラタの音だより」から引用すると、
バイオリンやピアノなど楽器の奏でる美しい音や歌手の美しい声を耳にするとほっとさせられます。なぜ楽器の音や歌手の声は我々を引きつけるのでしょうか?
それは美しい音色にあります。美しい音色とは複数の音が同時に出ているハーモニーです。
スピーカーで音楽を再生する際には、複雑にからみあうハーモニーを正確に原音に忠実に再生することがポイントになります。
この複雑にからみあうハーモニーを正確に原音に忠実に伝えるためには、原音に対してすべての音を時間的に遅れることなく、正確に再生することが重要なポイントとなります。
通常のスピーカーは、コイルとマグネットによる電磁力で振動板を振動させ音を出すので電気信号を音に変えるのに時間の遅れが生じています。
一方、ムラタES105A Suono(R)は振動板に圧電セラミックスを用い電気信号を直接振動に変換するので時間的な遅れなく音を再生します。すなわち原音に忠実で楽器の生演奏にきわめて近い表現が可能なのです。
ES105A Suono(R)は単に高い周波数帯域を再生する「スーパーツィーター」ではなく、通常のスピーカーと組み合わせることで全帯域の倍音再生を補う「ハーモニックエンハンサー」=倍音再生器なのです。
「ハーモニックエンハンサー」ES105A Suono(R)は、通常のスピーカーシステムでは聞こえなかった音を正確に再生する働きをするのです。
http://www.murata.co.jp/speaker/uc/index.html
と書いてあります。これでES105Aの作用メカニズムと期待効果、そしてハーモニックエンハンサーというネーミングの由来がわかってきました。
実はTAKET BATPUREも、振動板は高分子圧電モノモルフフィルムを使用しているものの、やろうとしていることは一緒なんじゃないかなと思います。故にBATPUREからのアップグレードとしてES105Aは最適なんじゃないかと考えたわけです。(BATPUREって結構気に入っているんですよね。)
でも実際に聴いてみるとBATPUREとは音が随分違うんですよ。というか、BATPUREでは上記のような効果は実現し切れていなかったということがよくわかりました。残念ながら役者不足ってやつです。(^_^;)
でもBATPUREにはES105Aにはない効果があるような気がするし(効果の発現領域が異なる)、何よりも圧倒的に安いので、C/P的には抜群の選択肢であるという事実に変わりはありません。エントリー機種としては最適だと思います。
つづく。