memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

〜intermission〜


3日連続でVITUS AUDIO SS-010のレビューを書いてきましたが、ここでちょっと一休み。今日は今回のアンプ選びについて少し振り返ってみます。




直接の購入契機となったのは紛れもなくK氏のプロモーション施策ですが、当然ながらプリメインアンプなら何でもよかったというわけではありません。SS-010もしくはD-Premierだからこそ検討したわけです。


D-Premierについては以前の日記でも書いたとおり、次期アンプとしての最有力候補でした。小さくてデザインが良く、音が良くて駆動力も高い(らしい)というのが主たる理由。
ただ100%下手惚れかというとそうでもなく、いくつかの不満点もあります。


一番の不満点は筐体に施されたクロームメッキ。確かにデザイン的には美しいのですが、このクロームメッキって手入れが大変なんですよね。指紋の拭き取りは勿論ですが、仮に触らなかったにしても目に見えないくらいのホコリの膜ができてきて、だんだんと輝きが薄れてきます。
実は我が家のドアハンドルがそうなんですけど、デザインはとても気に入っているのですが、そのきれいな輝きを保つため週末の掃除のたびにせっせと布で磨いています。正直面倒くさいです。個人的には、多少高くなっても筐体表面にフィンガープリント対策加工を施してある方が嬉しいかな。


二つ目はリアパネル上部のカバーに干渉して太い電源ケーブルが使いづらい(らしい)点。この手の機器は電源ケーブルを交換して使うことが当然想定されるのだから、最初から考慮しておいて欲しかったですね。


そして三つ目は筐体上部のインジケーター。このインジケーター、確かにカッコイイです。でも、本体を壁掛けにして使う、もしくは本体をリスニングポイントの前に置いて使うのなら意味があると思いますが、リスニングポイントから離れたラックの中に入れてしまったら数値の識別ができないどころか、場合によっては全く見えないかもですね。
もしこのインジケーターがリモコンにもついていたら素晴らしかったのに...と強く思います。


そんな感じで多少の不満はあるのですが、それらに目を瞑ってでも手に入れたいと思わせるだけの魅力をD-Premierが持っていることは間違いありません。


そしてVITUS AUDIO SS-010ですが、実は2008年にK氏が紹介し推し始めた時から注目していました。デザインが良く、大きさも手頃で、しかも音が良い(らしい)。ただし価格は高すぎて手が出ない!(それから値上げされたので更に手が届かなくなりました)。

当時、自宅試聴の申し込みをしようかと随分と迷ったのですが、ヘタに試聴してしまうとローンの額が更に増えかねないため泣く泣く断念した思いがあります。




買い替え候補としてのD-PremierとSS-010。この両機に共通するいくつかの特徴が、次期アンプに求める条件(だった)と言えます。


「プリメイン(SS-010はアッテネーター付きパワーアンプ)である」、「本体が大きくない」、「リモコンが使える」、「毎日の使用に耐えうる」という4つの機能的条件。
「デザインが良い(好き)」、「音が良い(好き)」、そしてコンセントラ2に替わる次期アンプとしては絶対に外せないところの「所有欲を満たしてくれるモノとしての魅力(オーラ)」という3つの感性的条件。


言い換えると、以上7つの条件をクリアした機種こそが、D-Premier、SS-010、の2機種だったわけです。


一応、コンセントラ2の後継機であるContinuum500も頭の隅には入れていたのですが、流石に変わり映えがしないし、できれば(新しい経験値を積むという意味で)Jeff以外にしたかったので、サブ候補という位置づけでした。
また真空管アンプ(例えば、Unison Research Sinfonia)も捨てがたいものがあったのですが、毎日使用するという使い方、そして発熱量のことを考えると、導入に踏み切る勇気が出ませんでした。(^_^;) オーディオ用の2台目だったらアリなんですけどねぇ。




そんなわけで、現象面だけ見れば唐突に買い替えたように見えますが、次期アンプ選びのロードマップ上ではある意味予定通りであったと言えます。ただ、まさか自宅試聴のステップをすっ飛ばして買い替えることになるとは思いませんでしたけどね。


ちなみに次期アンプの必須条件ではなかったものの、できればそうしたいと思っていた条件として「A級アンプ」というのがあります。
私は自他共に認める小音量派なので、スペック上の出力はあまり気にしません(ただしGuarneri mementoをしっかりと鳴らせる駆動力は必要)。それよりも普段聞く音量の範囲の中で、透明感、弦楽器の質感と響きの美しさを表現できる能力を重要視しますから、A級アンプという存在は大きな可能性(選択肢)として捉えていました。


SS-010はこれまでのレビューでも何度も触れたようにA級アンプですが、実はD-PremierもA級アンプの信号をD級アンプで電流増幅するというハイブリッド回路となっており(プリステージがA級でパワーステージがD級という単純な構造ではない点に注意)、ある意味でA級アンプの仲間と言えなくはありません。

ただ、SS-010が強力な電源ステージや高品質部品の採用といったオーセンティックなアプローチを採っているのに対し(本体重量35Kg)、D-Premierは独創的な回路設計でA級アンプのクオリティと駆動力を両立させようとしており(本体重量6.9Kg)、アプローチ(哲学と言い換えてもいい)が全く異なるところが面白いですね。




さて、SS-010の試聴レポートはもう少し続く予定ですが、兎にも角にもここ数年の課題であったアンプの強化ができてホッとしています。
現時点ではその音にとても満足しているし、しばらくはSS-010で色々なCDを聴いて楽しむつもりですが、いずれはこの状態(音)が当たり前になってしまい、また新しい目標ができてしまうのでしょうね。


可能性としては、購入するソフトがBDに移行しDVDプレーヤーとしての出番が減ってきているUX-1の買い替え〜もしかしたらCD専用 or SACD/CD専用機にするかも〜が最有力かなぁ。
VITUSのSCD-010だとある意味鉄板かもしれませんが、性格が捻くれているのでVITUSで揃えるという線はほぼ無いですね。dCSのPucciniとかNagra CDCとかがいいなぁ。


また可能性はかなり低いですが、プリアンプの導入というのもあり得ますね。このプリアンプに関しては、導入するかどうかはともかくとして一度自宅で試してみたいものです。プリを入れることでVITUSの音がどう変わるのか、興味津々。
尤も、結果が良かったらまずいことになりかねないので、しばらくの間は妄想するに止めておきましょう。(^_^)