SS-010はA級/AB級を前面パネルのスイッチ(あるいはリモコン)で切り替えられるようになっています。ただし電源を一旦スタンバインモードにすると自動的にAB級に切り替わるし、また一定時間音声信号の入力がない場合もAB級に切り替わるようです。
音は無論A級の方が良いのですが、何故わざわざAB級を用意しているのでしょうか。しかもA級の場合もAB級の場合も出力は同じ25Wです。(ちなみに消費電力は250Wと50Wと大きな差があります。)
察するに、このAB級という奴はA級のアイドリングモードではないかと思うんですね。
つまり一旦スタンバインモードにしてしまうといざ聴こうと思った時にウォームアップに時間がかかりすぎるため、わざわざ消費電力が小さい(といっても50W)AB級を用意しておいて最高の音の状態になるまでの時間を短くしようということなのではないかと。
私の場合は時間は短いにせよ平日もほぼ毎日音楽を聴いているので、できるなら短時間で良い音になってもらいたいわけです。
それ故、旅行等で暫く家を空けるような場合以外はスタンバインモードにはせず、AB級モードにしてボリュームをMUTEしておくことにしました。まあ電気代はかかりますが、仕方ないでしょう。
さて試聴レポートの続きです。
音が緻密で滑らか。高域から低域までの音のつながりがとても自然で違和感がありません。
当然のことながら耳障りな音は皆無。コンセントラ2に比べると高域の当たりが若干柔らかく優しくなった感じです。
またコンセントラ2の場合の空間表現は、細かな音の粒子が音場に広がっている感じだったけど、SS-010の場合は粒子感という感じが無く、滑らかに空間を表現している感じ。
また響きの持続時間が長く、微弱音、そして音の消え際が素晴らしく綺麗です!
コンセントラ2に比べると明らかに音の透明感は増しました!
でもやっぱり以前試聴したCaryの300Bシングルエンドアンプ程ではないですねぇ。あの透明感は真空管アンプでないと無理なのでしょうか?
定位は明快で揺るぎない感じ。特に前後の位置関係に関しては明らかにコンセントラ2よりも優れています。
ただ音像は微妙に大きくなったかも。個人的好みとしてはもう少し小さくシャープに収束させたい気がします。
この点はインシュレーター等によるセッティングで改善できるような気がしますが、折角出ている低域が損なわれるは嫌なので、トライアンドエラーが必要ですね。
コンセントラ2の音を長く(7年ほど)聞いてきたわけなのですが、SS-010の音には不思議なくらい違和感がありません。基本的に暖色系のトーンで、やや華やかで美しい音の感じがそう思わせるのでしょうか。
でもコンセントラ2に比べると、緻密、しなやか、滑らかでありながら力強い音であり、音の純度もさらに高まったような気がします。
何にせよ本当に気持ちの良い音です!
「無理して買ってよかったなぁ...(^_^)」と、感慨ひとしお。
資金的にD-Premierは無理だったのでSS-010を購入したわけなのですが、もしかしたらSS-010の音の方が自分には合っているのではないかと思ったりしています。
いずれD-Premierを自宅試聴する機会もあると思うのでその際に真実は明らかになると思いますが、負け惜しみではなくSS-010を選んだのは結果的に正解だったのではないかと...。
次は今週末にでもiTransportのバッテリー駆動とUX-1での試聴をする予定です。