VITUS AUDIO SS-010は、2系統のラインステージとアッテネーター(どの音量でもレジスタは1つしか通らない)を備えたパワーアンプという珍しい構造となっています。従ってソースからのアナログ出力をダイレクトに入力することができる他、メニュー設定からアッテネーターをバイパスすれば純粋なパワーアンプにもなります。
この固定レジスタ式のアッテネーターというやつは、以前Pass Lab. Aleph P MK2 で経験したことがあるのですが、微妙な音量調整が難しかったり、レジスタ切り替えの際のリレーの音が耳障りですぐに手放してしまっため、あまり良い印象がありません。
しかしSS-010は、私が使うボリュームレンジだと1.5dB間隔となっておりボリューム調整間隔としてはぎりぎり許せる範囲。また切り替え時の動作音も非常に小さいため、Alephの時のような違和感はありません。正直、ちょっとホッとしました...(^^ゞ
でも考えてみると、アッテネーター方式ではないにせよ、コンセントラ2の0.5dB間隔のボリュームというのはやっぱり使い勝手が優れてますねぇ。音量調節に関しては全くストレスがありませんでしたからね。
ちなみにWadia521のボリュームは(現時点では)98にしています。最大の100にしていないのは、100よりも98くらいの方がWadiaは音が良いという話を昔聞いたことがあるためです。
接続はWadia521のアナログ出力をOrganic AudioのアンバランスケーブルにてSS-010につないでいます。
Wadia521にはバランス出力もありますが、SS-010はフルバランス回路ではないため(ただしバランス入力はある)音はアンバランス入力の方が良いでしょう。(比較はしていないので飽くまで推測ですが...)
なおSS-010の電源ケーブルには当然付属のアンドロメダを使用しましたが、その他の機器に関しては一切変更なしです。暫く聞き込んだ後、他の機器のワイヤリングについては再検討する予定。
さて、前置きはこのくらいにして試聴レポートにうつりましょう。なお本日のところは、iTransport(P3外部電源)をソースとして使用しています。
iTransportのバッテリー駆動、UX-1についてはまた後日試聴する予定。
最初に気づいたのは、音に厚みと深みがあり、鳴り方にゆとりを感じる点。鳴り方そのものが違っている感じ。コンセントラ2に比べると、Guarneri Memento が伸び伸びと歌っているようです。
これがアンプの格の違いというやつなんでしょうか。
また音の鮮度感が高いです。A級ということもあると思いますが、やはり必要最小限のラインステージ+固定レジスタによるアッテネーターによるところが大でしょう。これはこれで新鮮味があって良いのですが、音の良いプリアンプを通した音も聴いてみたいものです。これは次なる課題かもしれません。
サウンドステージについては、奥方向への広がりはこれまでとあまり変わらない気がするのですが、手前方向の音の位置がやや前に来たため、結果的に前後の音場が広がったように感じます。
横方向に関してはこれまでと同じ程度か、気持ち広くなったかなという感じ。
総合的には主に前後方向に音場が広くなったように思うわけですが、その絶対的な広さ自体よりもサウンドステージの中での音のつながり感というか、空間の連続性が良くなったところがこれまでとは違います。量よりも質の点での改善が大きいということでしょうか。
さて、コンセントラ2の最大の課題であった低域についてですが、期待通り量感が増し、より低い音が出ています!(やった〜!)
また低音の質感が良くダンピングも適度でとても気持ちいいです。強いて言うなら微妙に緩いかなという気がしないでもありませんが、このあたりはアンプのインシュレーターを変えることで調整可能かも。(現時点ではオリジナルのまま)
低域に関してもう少し触れておくと、低域の響き成分が聞こえるという点が(私にとっては)とても新鮮な感じです。これまでは響きと言うと中高域(特に高域)という印象が強かったのですが、初めて低域の響きというものを経験しました。
まだまだ感想はあるのですが、続きはまた明日。