memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

ルビジウム外部基準クロックの導入#4

先日ヤフオクにて入手したデジタルケーブルというのはAET SIN 75 EVOでした。都合2本目となります。これでURDG spec.2004と合わせ、UX-1再生に関わるデジタルケーブルは全てAET製にしてみることが可能となりました。最終的にall AETにはしないかもしれませんが、試すだけは試してみたかったんですよね。やっぱりAETのデジタルケーブルは好きですし、特にSINはねぇ!


というわけで2通りの組み合わせで試聴してみました。Rb外部クロックからG-0はSINで固定し、G-0〜UX-1およびUX-1〜Wadia521の2カ所についてSINとURDGを入れ替えて使用してみるというものです。


で結論から言うと、


UX-1 -> Wadia521: AET DG 75 EVO
Rb Clock -> G-0 :AET DG 75 EVO
G-0 -> UX-1 :AET URDG 2004


という組み合わせの方がより好ましい結果となりました。
G-0 -> UX-1のクロックケーブルとUX-1 -> Wadia521の音声デジタルケーブルの2本のデジタルケーブルを比較すると、音声デジタルケーブルの影響の方が強く出るようで、その結果としてSINを音声デジタルケーブルに使用した方が好ましかったというわけです。
URDGを音声デジタルケーブルに使用した場合、音(特に低域)がタイトになりすぎ、かつ弦の柔らかさがうまく出ません。解像感は高いのですがちょっと疲れてしまいそうな音です。
一方SINを使用した場合には低域の量感も増し柔らかさもうまく出ます。こちらの方が聴き疲れもしない感じなので好ましいのですが、100%満足できるという感じではありません。何が気に入らないのか特定はできていないのですが、何となく物足りない感じがします
URDGを外してDB-510にしてみるとか、あるいはクロックをSINに統一して音声デジタルにはKS-2020を使ってみるとか、いくつかトライしてみるべき課題はありそうです。


でもデジタルケーブルの組み合わせの最適化を図る前に一つやってみたいことが。それは“G-0内部のXtal発振器を殺してみること”。
DオーディオK氏のG-0sでの実験によると、Xtal発振器を殺してRb発振器のみで動作させた方が音が良いらしいんですよね。言い換えると、Xtal発振器の回路がRb発振器の回路に対して何らかの(悪)影響を与えていると言うことなのでしょう。現行製品であるG-0RbがXtal発振器の回路を無くしてRbに特化したという理由もこの点にあるとのこと。
尤もG-0sの場合は内蔵Rb発振器であり、我が家の場合は外部Rb発振器という違いはあります。そもそもRb発振器の電源回路がG-0本体とは独立しているので、G-0s(内蔵Rb発振器)の場合よりもXtal発振器を殺した際の恩恵が小さくなるとは思いますが、電源関係以外のXtal発振器の影響は排除できることになるので試してみる価値は充分。ダメなら元に戻せば良いだけです。


ということで早速実験。電源系の基盤からXtal発振器の基盤につながっているラインを外し、さらにXtal発振器の基盤からメイン基板につながっているデジタルケーブル(インターナルワイヤー)を外します。これでX-tal発振器の基盤は動作を停止し他の基盤との物理的な接続も切り離されたはず。


◆改造前のG-0内部

右端に見える基盤がX-tal発振器。ちなみにメイン基盤からユニバーサルクロック端子へのワイヤー2本の内1本は外してあり、外部入力端子〜メイン基板のワイヤーはヨルマデジタルのインターナルワイヤーに交換してあります。


Xtal発振器の出力ワイヤー

赤線で囲った端子(黒いワイヤー)を外します。


Xtal発振器の電源供給ワイヤー

赤線で囲ったターミナルを外します。外したターミナルは他の回路と干渉しないようにシャーシ仕切り版にテープで固定しました。


そもそも内部のXtal発振器は外部Rb発振器と同様に10MHzのクロックを供給する役割(のはず)なので、外部から10MHzを供給してやれば正常に動作するはずです。とは言うものの単なる素人の浅知恵に過ぎない可能性もあるわけで、期待と不安が入り交じった状態でシステムにインストールし直し、電源スイッチを入れました。


前面パネルの切り替えスイッチをExtに合わせるとしばらく点滅した後、点灯状態に!(やった〜!)
次にUX-1のボタンを操作してクロックをONにします。するといつもよりもロックするのに時間がかかったもののクロックがロック状態になりました!(もう一度、やった〜!)


と喜んだのも束の間、UX-1の表示パネルにWord Unlockの表示が!そして数秒の後再びロック状態になります。(冷や汗が...)


固唾をのんでじーっと見守っていると、アンロック〜ロック状態を何回か繰り返した後、どうやら安定状態になった模様。でも試しに周波数(44.1KHz系と48KHz系)を切り替えてみると、ロックした直後にアンロックとなり再度ロック状態に!(¨;) ただし電源投入直後の不安定な状態に比べると随分と安定してきた様子ではあります。しばらく通電状態にしてG-0内部の回路が安定すれば問題はなくなるような予感はします。
UX-1がワードロック状態になるまでの時間が長くなった(外部周波数基準に同期させたワードクロック生成という状態は同じなのに、Xtal発振器の回路が生きている方がUX-1がワードロック状態になるまでの時間が短い)という事実から考えるに、G-0から出力されるワードクロックが何かしら変化していることは間違いないような気がします。

そんなことをつらつらと考えながらその後10分ほど見守りましたが、ロックが外れてしまうという現象は一度も起こりませんでした。周波数を切り替えても問題はないようです。


さあ、いよいよ音出しです。果たして吉と出るか凶と出るか! UX-1にハイドン弦楽四重奏のCDをセットし、再生スタート。


「何これ!音が全然違う!」


所謂エコー成分が一気に増えた感じ。こんな音は我が家では聴いたことがありません。
でも何か違和感も感じます。左右chの位相が合っていない時のような気持ち悪さが少々。そこでSPの位置を微妙に(ほんの数ミリ程度)調整してみたところ、何とか違和感は解消されました。
それから何枚かのCDを取っ替え引っ替えかけてみましたが、要するに外部Rbクロックを入れた時に感じた変化が5〜6倍になって襲ってきたという感じ。箍が外れたと言うか、エヴァ的に言うなら拘束具が外れたというか、そんな状態ですね。きっとこれがルビジウム本来の実力なのでしょう。


しかしながらこれで全てがハッピーになったかというと必ずしもそうではないわけで、トルクバンドの狭いチューンドエンジンを載せたクロスレシオのMT車でもって狭い山道を走っている時のように、集中力を必要としかつ緊張感にあふれるような音になってしまいました。切れすぎる包丁は扱いづらいというか...。
しかも高域にちょっとキンキンと響く部分があって少し耳障りに感じます。特に女性の声の高音とピアノの高音の部分ですね。ただしこれは過去にも経験したことがある問題なので何とかなるでしょう。


まあ解決すべき新たな課題は出てきたものの、兎にも角にもこの音の“激変”には驚きました!いままでオーディオをやってきて一番驚いたかもしれません。


で、翌日。会社から帰ってみるとUX-1のディスプレイにWord Unlockの表示が! 何となく「然もありなん」という事態を予想していなくもなかったので、正直なところあまり驚きはありませんでした。


着替えをして一息ついた後、まずはG-0の出力を切り替えてみたりUX-1をリスタートしてみたりしましたが、残念ながらクロックはロックしてくれません。
他に何か手はないかとしばらく頭を悩ませ思いついたのがG-0のクロック出力端子を変えてみること。G-0にはA〜Cの3系統の出力と100KHzのユニバーサルクロック出力端子(それぞれの系統毎に2端子)があります。現在はUX-1にB系統を、SRC2496にはC系統を使用していますが、まずはこれを入れ替えてみることに。
するとUX-1は事も無げにロックしてくれました。一方のSRC2496も問題なくロックしています。昨日以降、B系統、C系統ともに出力ONの状態でしたから(A系統とユニバーサルクロックはOFF状態)、おそらくは出力端子への回路の引き回しの違いが影響しているのかもしれません。やはりXtal発振回路を殺したG-0は相当にデリケート(あるいはUX-1の外部クロック受信回路がRbの精度に最適化されていないのが原因)なようですが、とりあえず今日のところは何とかなったのでホッとしました。尤も数日様子を見てみないと安心はできませんけどね。(^^ゞ

ところで昨日感じた高域のキンキンした感じですが、何故だか今日はそれ程感じません。これだったらこのままでもいいかなぁという気もしますが、もっと良い音になるかもしれないのでデジタルケーブルの組み合わせについては今週末に試行錯誤してみようと思います。


最後に、このまま安定して使用できればという前提ではありますが、G-0をお使いの方はぜひともRb外部クロックを試していただきたいと思います。もちろん(自己責任にて)G-0内部のXtal発振回路を殺した状態で!