探偵小説のためのヴァリエイション 「土剋水」 (講談社ノベルス)
- 作者: 古野まほろ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/08
- メディア: 単行本
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古式ゆかしい温泉で突如起こる3人殺し!犯人は……あたし!?
「水里あかね、殺人未遂容疑で緊急逮捕する」住田温泉に響く冷たい声。嘘!!あたし人殺しなんかじゃない。それとも不思議系妄想が現実になっちゃったの!?誰か助けて!!競技かるたタイトル戦をめぐり発生した陰惨な3人殺し。でも大丈夫。きっと天才美少女陰陽師(自称)のコモが超絶論理探偵術で助けてくれ……ってコモ、コモ何するの!?死刑もコモのべろちゅうも、どっちも駄目ぇぇ――――!!
【評価】★★★★☆
2作目ともなると“ぞなもし”にも随分慣れてきましたが、今回は“あかね”の妄想にやや辟易。相変わらずの古野さんですね。(^^ゞ
第1作は「探偵小説のためのエチュード」でしたが、本作は「探偵小説のためのヴァリエイション」。ミステリーとしては前作よりもはるかに魅力的ですが、謎解きの思考シミュレーションがちょっと鬱陶しいかなぁ。まあ「ヴァリエイション」だから論理的変奏曲をMECEに潰したということなのでしょうか。
前作で匂わせていた「天帝」シリーズとの関係性ですが、“コモ=九尾の狐”であることが直接記述されており、また“アフロディテの黄金の梨”を持っていたりするので、やっぱり“コモ=上巣由香里”っぽいですね。でも“よりまし”たる“あかね”のために使ってしまったので、表の血筋の“修野まり”に見つかってしまうのかも。
さて次回作は「木剋土〜探偵小説のためのノスタルジア」、一方「天帝」シリーズの第4作は「天帝のみぎわなる鳳翔」だそうです。ここまで読んだのだから全部読むぞ!