memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Arayのテストユース #4 & DPC-500のテストユース #2

リアプロA2500の“チラツキ症状”対策に端を発した安定化電源テストユースについてまとめておきます。

まず最初に“チラツキ症状”に関してですが、結論から言うとArayおよびDPC-500のいずれを使用しても解決しませんでした。(T.T) 要するに電源環境の問題ではなかったということです。
そんなわけで、当初の目的については「以上でレポート終わり」ですが、それではあまりに何なので、映像およびピュア系に使用した際の画質/音質の印象を簡単にまとめておきます。


まずは光城精工のArayから。


【映像評価】★★★☆☆

リアプロの画質
最初は多少良くなった程度かと思っていましたが、通電から1日たってAray自体が本調子になったせいか、画質は明らかに良くなりました。ノイズ感が全くないのに加え、シャキッとした画はシャキッと、柔らかい画は柔らかく映し出してくれます。
DVDもそうですが、特に顕著なのは地デジ&BSデジの放送画像。特に映画において画面階調のキメ細やかさが増し、発色も若干良くなった感じ。もしかしたらチューナー回路への影響が大きいのかも。


ピュアオーディオ評価】★★★☆☆

◆音質
○ノイズフロアが非常に低くなり、情報量が増えて細かな音まで聞こえます。特に弦楽器の余韻が美しくなりました。
○60Hz出力の恩恵か、透明感が若干向上。ただし以前Caryの真空管アンプを使用した時の透明感には遠く及ばない。
○思った以上にしなやかさを表現しますが、かといって柔らかすぎるわけではない。
△音の勢い、力強さにやや欠けるというか、演奏者の熱い魂が前に出てこないような感じがする。音が綺麗すぎるのか。
△音のエッジが立つ感じがやや弱い。
△低域の量感がやや減った。

◆操作感
○自然空冷なので動作ノイズがない点が良い。
○コンセントが6口なのは使い勝手がよい。
△コンセントの食いつきがやや弱い。OyaideのULTIMO位あると良いのだが。
△筐体が薄いこと自体は使い勝手がよいのだが、コンセントが横向きになっているのでNBSのような固い電源ケーブルを接続するのに苦労する。



次はフライングモールのDPC-500についてですが、実質的には3日しか使用しておらず、またリアプロのチラツキ症状に効果がないことが分かった時点で(実は使い始めて直ぐに分かったのですが)ピュアオーディオ系の試聴に切り替えたので、映像については第1印象評価(先入観の影響強し)ということでご理解下さい。

【映像評価】★★☆☆☆

リアプロの画質
若干ノイズっぽさが減ったかなという感じもしますが、Aray程の効果は感じません。Arayは滑らかさの方向での効果があったように思うのですが、DPC-500はそうではないようです。


ピュアオーディオ評価】★★★★☆

◆音質
○一聴してわかるのが空間情報の増加。残響音が明らかに増して音像がより立体的に。これにはちょっとビックリしました。
○音に勢いがありエッジも立っています。Jazz、Rock系はとても気持ちいい!
○思った以上にというと失礼ですが、低域に力感があります。
○高域/低域方向ともに詰まった感じが無く、音が伸びやか。
○透明感も向上しますが、やはりCaryのレベルではありません。
△弦楽器の表現がやっぱり固いかなぁ。メリハリはあるのは良いのですが...。

◆操作感
○筐体サイズが小さいのはスペース効率的に良い。
△コンセントの食いつきがやや弱い。
△コンセントの数が3個なのはやっぱり少ない。まあ筐体が小さいので仕方ないですが...。
×冷却ファンが直ぐに動作してしまい五月蠅い!普通に音が出ている状態であれば気になりませんが、小さな音の状態だとファンノイズが非常に耳障り。



Arayは思った以上に画質面での効果があったもののピュア系での効果はそれなりという感じで、総合的にみるとC/Pが悪いと言わざるを得ません。
一方のDPC-500はが映像系での効果はほとんど確認できませんでしたが、ピュア系の効果は想像を超えるものでした。もしDPC-500が自然空冷方式だったら間違いなく買ってましたねぇ...。ある意味残念でなりません。

今回2機種を試聴してみて驚いたのは、同じサイン波生成型安定化電源なのにこんなにも効果が違うものなのかということ。どちらもクリーンな電源波形を生成しているのだから音は同じ傾向だろうと思っていたのですが、むしろ正反対の音と言っても過言ではありません。
ちなみに使用する電源ケーブルでも何故か音が変わるようです。最初に使用したCamelot PM-650の時は気がつかなかったのですが、その後MIT Oracle AC1に換えた途端、音の帯域バランスが悪くなり違和感のある音になってしまいました。しばらく使用しても改善の兆しがなかったため再びPM-650に換えたところ、バランスの良い安心して聞ける音に戻ってホッとした次第です。

これは飽くまで2機種の音や映像の傾向から受けた印象に過ぎませんが、DPC-500は凄くシンプルにサイン波を作ってそれをそのまま出力しているため音が伸びやかで鮮度が高いのに対し、Arayは生成したサイン波をさらに何らかのフィルターを通して出力している結果、音の滑らかさやキメの細かさは増すのだけれど、何となく音が窮屈になり鮮度感も落ちてしまう、という感じがしました。アウトプットトランスのついた真空管アンプとOTLの真空管アンプの違いに近いかも。


というわけで、現時点ではAray、DPC-500ともに導入は見送ることにしましたが、もし将来フライングモールから自然空冷タイプが発売されたら買ってしまいそうな気がします。その時は、ピュア系にフライングモールを、映像系にはArayを導入したいものです....(お金があれば)(^_^;