memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

EX MACHINA エクスマキナ

2004年、世界に衝撃を与えた前作「アップルシード」が、世界的なクリエイターたちを集結し進化した『エクスマキナ』として誕生!士郎正宗(原作)×ジョン・ウー(製作)×荒牧伸志(監督)の最強タッグで贈る、世界を壊滅に近い状態へ追い込んだ戦争後の混沌とした世界を舞台に、ヒト社会の未来を賭けた壮大な闘いを描いたフルCGアニメーション!

【評価】★★★★★


従来型アニメの技術的最高峰が「イノセンス」だとしたら、FCGアニメの最高峰がこの「エクスマキナ」と言えるでしょう。
前作「アップルシード」を観た際には、無機物の質感表現の素晴らしさには驚いたものの、肌に代表される有機物の質感や顔の表情についてはまだ違和感があるなぁと思っていたのですが、FCGアニメへの慣れもあるのでしょうが、「エクスマキナ」に関してはその違和感が随分と少なく感じました。特に衣服(テキスタイル)の質感表現は随分と進化しています。
ストーリーについても文句なし!士朗正宗・原作の優れた世界観がベースにあるということもさることながら、今回の脚本は「アップルシード」を明らかに上回っていると思います。その主要因は、デュナン・ナッツとブリアレオス・ヘカトンケイルの間の恋愛感情をサブストーリーに置いたことでしょう。このことにより、どちらかというと無機的に感じられてしまうFCGの映像世界の中に、強い感情移入をもたらすことに成功しています。
このデュナンとブリアレオスの情緒的ストーリーの中に、マイクロマシン・ウィルスに冒されてしまうブリアレオス、さらにはブリアレオスの遺伝子情報を元に作られたバイオロイドのテレウス(その姿はサイボーグ化される前のブリアレオスと同じ!)という要素が絡み合い、非常に魅力的なサブストーリーを形成しています。
そのサブストーリーが、ハルコンという謎の存在によるサイバーテロを描いた完全オリジナルなメインストーリーと相俟って、稀にみる面白さのアニメーションとなりました。映像といいストーリーといい、まさに「イノセンス」クラスの傑作アニメだと思います。「ベクシル-2077日本鎖国」なんか比較にならないですね。
なお今回購入したのは通常版。Amazonのコメントによると、北米では既にBD版が発売されているとのことなので、それを買おうかなと目論んでいます。ちなみにプレミアム・エディションにはHD-DVDがついていますが、今更ねぇ...。