memento

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首無の如き祟るもの(三津田信三)

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

一族の安寧を祈る祭りの最中に双子の妹が首のない死体となって発見される。それが連鎖するかのように連続首無し殺人事件となって、山間の村を恐怖に陥れた。茫然自失の驚愕トリック!シリーズ最高峰!

【評価】★★★★☆


最初に読んだ三津田信三さんの作品は「作者不詳―ミステリ作家の読む本」なのですが、その謎解きとホラーが民俗学的要素を盛り込んだ怪奇小説的世界観の中で見事に融合した作風スタイルに魅了され、すっかりとファンになってしまいました。以来、この作品を含めて8冊読んでいるのですが、作品によって“謎解き”“ホラー”“民俗学的怪異”の3つの要素の比重が異なっており、その構成バランスが作品としての面白さに直結しているように感じます。
3つの要素が同程度の比重で盛り込まれている作品が抜群に面白く、次いで“謎解き”と“民俗学的怪異”の比重が高い作品群がかなり面白く、“ホラー”要素が突出している作品はイマイチかなという実感を持っているのですが、この作品は“謎解き”と“民俗学的怪異”の比重が高い作品群(このグループの作品が一番多い)に位置づけられ、抜群ではないけれどもかなり面白い作品でした。