- 作者: 化野燐
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/07
- メディア: 新書
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妖怪伝奇「人工憑霊蠱猫」シリーズ第7弾!
世界を破滅へと導く魔書争奪の死闘はすべて妄想だった!?
シリーズを根本から覆す衝撃!“現代妖怪伝奇”最新刊!!美袋(みなぎ)小夜子、半年前に焼死。小夜子であるはずの私は因縁ある人物の心が生んだ妄想だった。医師からの衝撃宣告に、小夜子は鬼神を具現化できる魔書『本草霊恠図譜』争奪戦の記憶を語り抗うも、矛盾をつかれ全否定。人工憑霊“蠱猫”にも変化できず、さらには真の姿とされた人物の記憶が私の頭の中で交錯する!妖怪ハンターチームとの日々は、やはり幻だったのか?
【評価】★★★☆☆
ネタバレになってしまいますが、“雲外鏡”という魔鏡(鬼神)の力によって並行世界からこちら側の世界に連れ込まれてしまった美袋小夜子のお話です。ただし作品としてはこちら側の美袋小夜子があちら側に連れ込まれたかの如く叙述されているため、最後にどんでん返しがあるという所謂“叙述トリックミステリー”という構成になっています。
本筋のストーリー自体は大きく進まないのですが、美袋小夜子、千文字美緒、石和百代、龍造寺兄弟といった主要登場人物達の過去についてのお話(エピソード)が盛り込まれているので、敵味方という観点は別として彼女・彼等への理解・共感は高まりました。
この作品自体があちら側の美袋小夜子の視点から描写されているという点も考えると、シリーズの中では“番外編的作品”と言った方がよいのかもしれませんね。