memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

ダイハード4.0

独立記念日の前夜。ワシントンDCのFBI本部に設置されたサイバー犯罪部に異変が起こった。交通、通信、原子力、水道などのあらゆる全米のインフラを監視するシステムに何者かがハッキングを仕掛けてきたのだ。
そのころ、ニューヨーク市警統合テロ対策班のジョン・マクレーン警部補は、しばらく連絡を取っていない別れた妻との娘ルーシーに会うために、管轄外であるニュージャージー州の大学に立ち寄っていた。その時、FBIから、ニュージャージー州内に住むマットというハッカーの身柄を確保し、FBI本部に連れて行けという無線連絡が入る。これが不運の始まりだった――。


◆評価:初期のダイハードっぽさは薄れてしまったものの、アクション・エンタテインメント映画としては良くできていると思います。3の時も同じ印象だったのですが、予想を裏切る面白さでした!


「ダイハード」って「ある年のクリスマスイヴ。閉鎖的環境(状況)の中で妻が巻き込まれる事件が起きる。不運なことに妻を助け出すことができるのは自分しかいないので、死にそうな目に遭いながらもひたすら頑張って妻を助け出す。」という映画だったと思うのですが、その条件みたいなものが作を追うごとに緩くなって(変質して)きていて、今や「不運にも巻き込まれてしまった事件を、死にそうな目に何度も遭いながらも、一緒に巻き込まれてしまった相棒と一緒に(超人的な活躍でもって)解決する」という感じになってしまいました。今作4.0では「後追いで娘が巻き込まれる」という若干初期作に近い内容にはなっていますが、誰がみても第1作とは別の映画ですよね。「ダイハード」と「ダイハード2」までが“ダイハード"であって、「ダイハード3」と「ダイハード4.0」は“アナザ・ダイハード"という印象でしょうか。
ただ往々にして、オリジナル色が薄れていくとともに面白くなくなっていくことが多いと思うのですが、この“ダイハード"シリーズについては、そうはなっていないところがある意味“凄い"と思います。つまり、ニッチな面白さは薄れつつもメジャーな面白さが加わったため、結果として面白さを維持(強化)しているわけですね。個人的趣味として「中身はないけどアクションが派手で楽しめるハッピーエンド映画(ハリウッド映画)」は大好きなので、“ダイハード”シリーズである必然性は弱くなったものの、「ダイハード4.0」は◎でしょう。ま、映画は「面白ければそれですべてOK」なのです。
監督はレン・ワイズマン。「アンダーワールド」「アンダーワールド・エボリューション」の監督さんです。ケイト・ベッキンセールの旦那さんでもあります。それ故に「ダイハード4.0」でテロ一味として登場するマギーQが、「アンダーワールド」のケイト・ベッキンセールっぽい“エロカッコイイ”雰囲気なわけですね。これはモロに監督個人の趣味なのでしょう。いや、私も大好きですけど...(^_^;)
最後に、DVDを観る前は「何でダイハード4ではなくてダイハード4.0なんだろう」と疑問に思っていたのですが、内容がサイバーテロだったから“Web2.0”っぽく表記しただけのようですね。あり得ないとは思いますが、もしも次回作があったとしたら「ダイハード5」という表記に戻るのでしょう。