memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Panasonic DMR-BW800-K 感想#3

[rakuten:den-mart:10003704:detail]

BW800を使用し始めて1週間がたちました。番組表で番組を指定し普通に録画する限りではまずまずの使いやすさだし、また録画画質についても満足できる水準だと思います。この1週間の間、WOWOWで「ソウ3」「スピード」の2本をDRモードで録画しBDに落としたのですが、やっぱりBDの画質は良いなとつくづく感じました。これだったら、どうしてもパッケージ版が欲しい映画以外はWOWOWで放送されるのを待っていた方が良さそうですね。これでソフト購入費用が多少は削減できそうです。


というわけで基本性能自体には満足しているのですが、操作性に関してはいろいろと不満点が出てきました。今日はその辺りについて触れておこうと思います。

RD-X5のメニューは「番組ナビ」「編集ナビ」「録るナビ」「見るナビ」という4つの入り口(ボタン)でもって通常使うほとんどのメニューにたどり着けます。さらにそれぞれのメニュー画面で「クイックメニュー」というリモコンボタンを押すと、細かな機能設定用サブメニューがポップアップリストで表示されるという仕様になっており、この構造だけを頭に入れておけば、大抵の場合使いたい機能に迷わずたどり着くことができます。ちなみに本体設定メニューはリモコンの下部の蓋を開けて「設定」メニューボタンを押せばタブ表示のメニューが画面に表示されるようになっており、本体設定関係の全てのメニューがここに集約されています。
RDは高機能(特に編集機能が凄い)故に使いにくいと敬遠する人もいらっしゃるようですが、確かに設定できる項目は多いけれども基本のメニュー構造自体は単純明快だと思うのです。実際RDを初めて購入したときには、細かな編集機能の理解は別として、概ね1日で不便なく使いこなせるようになりました。またリモコン上には「簡単ナビ」というボタンがあって、そのボタンを押すとよく使う機能を集めたポータルメニュー画面が表示されるので、機械に弱い人はそれだけを覚えていればよいわけです。


しかしながらBW800はというと、1週間たった今でも使いたい機能にたどり着くのに迷ってしまうことがあります。それはメニュー構造や操作方法における思想性・一貫性の無さに起因していると思うのです。おそらく、一般的なユーザーがよく使うメニューを中心にメニュー画面やリモコンボタンを構成したが故に、全体としての思想性・一貫性が保てなくなったということなのでしょう。
最も端的な例が「録画」ボタンの位置でしょう。確かに私自身のことを振り返っても、予約録画が中心なので録画ボタンを使う頻度が極めて低いのは事実です。しかしながら皆無ではないわけで、しかも録画ボタンを使う(使わざるを得ない)場面というのは、(私の場合は)今まさに見ている番組を直ぐに録画したいという状況なわけです。
RD-X5の場合、当然ながら「録画」ボタンは「再生」「巻き戻し」「早送り」等々の一連の操作ボタンと同じ文脈に配置されています。ただし使用頻度が少ないことを反映してボタンの大きさは「再生」ボタン比べて小さくなっており、配置位置も隅の方に追いやられてはいるのですが、ボタンの色が目立つ「赤色」になっているので「いざ使いたい」という時の視認性は高いと言えます。これが普通の考え方。
一方のBW800の「録画」ボタンというと、「再生」「サーチ」「停止」等々の一連のボタン群の文脈内には配置されておらず、なんとリモコン上部の蓋を開けてはじめてアクセスできる位置にあるわけです。使用頻度が低いので中心には配置しないという点はRDと同じですが、RDでは「レコーダー」としての文化的(或いは歴史的)文脈を維持しつつボタン配置しているのに対して、BW800ではそれらを無視してしまっています。


肯定的に見るなら、今の時代の「HDレコーダー」の在り方に沿った新しい文脈(操作体系)を形成しようとしているともいえますが、少なくともその試みによって使いにくさが生じていることも事実。私自身、BW800の設置後に「画質を確かめるためとりあえず何か録画してみよう」と思ってリモコンを見たら「録画」ボタンが見あたらないのでちょっと焦ってしまいました。
その時私がした行為は、リモコン上部の蓋を開けることではなく「操作一覧」という大きなボタンを押してメニューを開くこと。そこで表示されたメニューは「再生する」「予約する」「消去する」「ダビングする」という4つの大きいメニューと、「その他の機能へ」というやや小さめのメニュー。「録画」という言葉が見あたらないので「その他の機能へ」を選んでみても単なる「録画」に相当するメニューは見あたりません。仕方がないのでマニュアルを読んでみると、なんとリモコン上部の蓋内部に「録画」ボタンがあることが判明したわけです。


これと同様のことは他にもあります。先の「その他の機能へ」のメニューの中に「初期設定」という項目があり、その中に「映像」「音声」という項目があります。当然、画質設定や音声設定関係のメニューはこの中に集約されているものと思っていたのですが、再び裏切られるハメに。画質設定や音声設定についてはリモコン蓋内部に「再生設定」というボタンがあってそちらで設定することになっているのです。ちなみに「初期設定」メニュー内の「映像」メニューと、「再生設定」メニュー内の「映像」メニューを書き出してみます。


●「初期設定」-「映像」

  • スチルモード
  • シームレス再生
  • HDノイズフィルター

●「再生設定」-「映像」


ちなみに「HDノイズフィルター」というのは「HDDまたはディスク再生時、ざらつきが少なくやわらかい画像にします」という機能で、「HDオプティマイザー」というのは「動画のモザイクノイズや文字周りのもやもやを精度良く補正します」という機能なのですが、例えばこの2つの機能にしてもわざわざ「初期設定」と「再生設定」に分けて配置する意味があるのでしょうか?よくよくみれば「初期設定」における「映像」メニューというのも全て「再生時」の設定項目なんですよね。
もし私だったら「初期設定」と「再生設定」は「設定」メニューという1つのメニューに統合してしまい、「映像系」「音声系」の設定は全てこのメニュー内に集約してしまうと思います。場合によっては、これらのメニューの中から使用頻度が高そうないくつかの機能設定にアクセスするためのポータルメニューを作り、そのためのボタンをリモコンの使いやすい場所に別途配置するということは考えるかも知れません。つまりショートカットボタンを作るわけです。RDの「簡単ナビ」の発想と同じですね。ただしあくまでもショートカットである点が重要なわけで、決して複数のボタン(或いはメニュー)に設定機能を振り分けるという意味ではありません。
ここまで書いてきてふと思ったのですが、パナソニックの開発者は「階層メニューの深い位置(トップから3〜4階層下)」にあるよりは、「リモコンの蓋内部」の方がアクセスしやすい(便利)と考えているのかも知れません。私は全く逆に「多少深い位置にあるメニュー」よりも、「リモコンの蓋内部にあるボタンやメニュー」の方がよほど使いにくいと考えています。だって、リモコン上部の蓋を開けて中のボタンを押すためには両手で操作しなければならないんですよ!一方、メニュー階層を潜っていくのはカーソルキーと決定ボタンを押すだけだから片手でできるじゃないですか。私にとってはどう考えてもこっちの方が楽なわけです。「何」を便利だと考えるのか...。このあたりにも根本的な価値観の相違があるのかも知れませんね。


この他にも操作系に関してはいくつか文句を言いたい点はあるのですが、まあこの辺で止めておきましょう。ただ、最後にこれだけは書いておかなければなりません。それは「編集機能」があまりにもチープな点。RDの編集機能になれている私としては、ちょっと愕然としてしまいました。チャプターマークのポイント設定の際に、フレーム単位での位置移動ができないなんて...。スローで動かしながら一時停止ボタンで位置決めしろなんて、何という野蛮な発想なのでしょう!訂正:DRモードの場合は前後方向へのフレーム移動ができました。(m_m) ただしAVCRECモードの場合は、前進方向へのフレーム移動は可能ですが後進方向へのフレーム移動はできません。
WOWOWの映画の場合であれば頭とお尻の余分な部分をカットするだけだし、黒味も入っていたりするのでBW800程度の編集機能でも何とかなりますが、アニメ番組のCMカットだとフレーム編集機能がないと綺麗に編集できないんですよねぇ。これはかなり時間がかかりそうだなぁ...。面倒だなぁ...。参りました...(;.;)