memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

マリア様がみてる 薔薇の花かんむり

マリア様がみてる 29 薔薇の花かんむり (コバルト文庫)

マリア様がみてる 29 薔薇の花かんむり (コバルト文庫)

あとがきによると「ロザリオ」は聖母マリア様にお祈りを捧げる「薔薇の輪」「薔薇の冠」という意味があり、今回のサブタイトルである「薔薇の花かんむり」とは、すなわち「ロザリオ」のことだそうです。と言うわけで、祐巳さんと瞳子ちゃんは無事にスールになりました。(^^)//""""


まあ、それはそれでめでたいのですが、意外にあっさりと(正味40頁そこそこで)スールの儀式が終わってしまったところがちょっと物足りないというか、そもそも祐巳さんと瞳子ちゃんにフォーカスが当てられたお話だと思いきや、読み終わった感想としては祥子さまと祐巳さん(特に祥子さま)のお話だったという印象が否めません。なんか瞳子ちゃんが可哀想だなぁ。これだったら「あなたを探しに」でスールの儀式までやってしまった方がよかったと思いますが、どうなんでしょうねぇ?


さて、祐巳さんと瞳子ちゃんのロザリオ授受が無事終わった後、瞳子ちゃんからの指摘を受けて祐巳さんは瞳子ちゃんのことを「瞳子」と呼び捨てにすることになります。祐巳さんが名前を呼び捨てにするのって弟の祐麒くらいしかいないのでとても新鮮な感じを受けたのですが、指摘以降スパッと呼び方が切り替わってしまった点に少しだけ違和感を感じてしまいました。人間、これまでの習慣を早々簡単には変えられないと思うのです。乃梨子ちゃんが「志摩子さん」と呼んでしまったり、由乃さんが「令ちゃん」と呼んでしまうのと同じです。だからセリフ部分については「瞳子」でもよいと思うのですが、少なくとも祐巳さん視点の記述における脳内モノローグ上は「瞳子ちゃん」という呼び方を状況に応じて入れた方がもっと祐巳さんらしいリアリティを表現できたのではないかなぁと感じました。まあ個人的感想に過ぎませんが...。


次巻は祥子さまの“リベンジ”に絡む諸々がテーマになると思われますが、祐巳さんと瞳子ちゃんがスールになったことで物語としては大きな山を越えてしまったという感じが否めませんね。これで祥子さまの代が卒業してしまい、入学式で菜々ちゃんが由乃さんのスールになってお終い...ということになってしまうのではないかと、ちょっと心配しています。できれば祐巳さんの代が卒業するまで続けて欲しいなぁ...。ねぇ、今野先生!