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audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

#13 祈り Blessing/今井信子

祈り Blessing

祈り Blessing

1.G.F.ヘンデル作曲/細川俊夫編曲「私を泣かせてください ヴィオラのための」
2.武満徹作曲/細川俊夫編曲「ヴィオラとピアノのための ア・ストリング・アラウンド・オータム」
3.西村朗ヴィオラ独奏のための『鳥の歌』による幻想曲(2005)」
4-5.林光「ヴィオラ協奏曲<悲歌>ヴィオラ弦楽合奏のための(1995)」
6-8.野平一郎「ヴィオラ・ソロのための『戸外にて』(2003)」
9.J.S.バッハ作曲/細川俊夫編曲「人よ、汝の罪の大きさを嘆け」


ヴィオラ奏者・今井信子さんの(多分)最新作です。
私はヴァイオリンにしてもヴィオラにしても、演奏技術に関してはさっぱりわかりません。故に、CDも沢山持ってはいますが、「この人は演奏は上手だな」とか「今回の演奏は素晴らしい出来だな」とかいうことを感じたことはほとんどありません...どれも上手で良い演奏だと感じてしまうわけです。まあ有名アーティストのCDばかり買っているわけですからある意味当たり前なのかもしれませんけど。(無論、アーティストや演奏についての好き嫌いはあります。ひとえに感覚的評価ですが。)
一方、楽曲に関しては現代音楽っぽいのはこれまたよくわかりません。どこが良いのだろうと思ってしまいます。故によく聴くCDもバロックやクラシックが中心です。


そんな私ではありますが、今井信子さんの、この演奏は素晴らしいと思いました。
技術的なことはよくわからないし楽曲についても知らない曲が多いのですが、そんなこととは関係なく、まさに心に響く演奏だと思います。何というか「今井信子さんの内なる感情あるいは生のエネルギーが、極めて抑制されたヴィオラの音に込められて、じわじわ、じわじわと伝わってくる」、そんな感じです。魂のこもった演奏というのはこういう演奏のことを指すのかも知れません。


聴き終わった後、ライナーノーツを読みました。ああ、そうだったのかと思いました。今井信子さんは好きなアーティストだしCDも何枚か持っていますが、寡聞にして全く知りませんでした。


ここではその話は書きません。聴いてみようと思われた方に先入観を与えたくないからです。
何も考えず、この演奏だけを聴いてみてください。そして聴き終わったら、ぜひライナーノーツを読んでみてください。


最後に、オーディオ的観点からもこのCDは素晴らしいと思います。ヴィオラの音色、響きの表情の多彩さ、そして音の消え入る際の微弱音までも鮮明に聞き取ることができます。ノイズっぽさが皆無で、臨場感が非常によく伝わってくる、よい録音だと思います。


先のことはわかりませんが、今年の私的BEST-CDになるだろうという確信めいたものを感じさせるほど素晴らしい作品です。