memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

Chambertin-Clos de Bèze

◆1989 Chambertin-Clos de Bèze/Poulet Père & Fils/9,000円前後?


大体2ヶ月おきくらいの頻度で、近所に住んでいるワイン好きの友人と「ワインを楽しむ会」を実施しています。彼はワインを買うためにフランスに行くほどワインが好きで、しかも向こうのワイン雑誌等から直接情報を収集しているので、情報が早くかつ正確です。彼のポリシーは「おいしいワインを安く手に入れる」というもので(フランスに行くのもそのためなのですが)、日本ではあまり知られていないけれどもフランスでの評価が高いワイン〜その様なワインは日本でも安く売られているので〜を探し出してはストックしています。現在のストック本数は約120本だそうです。ちなみに、最近のフランスワイン、イタリアワインの日本での価格高騰はユーロ高では説明できないほど理不尽なレベルであると怒ってました。


「ワインを楽しむ会」は基本的に持ち回りなのですが、今回は彼の番ということで御邪魔してご馳走になってきたのがこのワイン、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの1989年。あのシャンベルタンと双璧をなすワインです。プーレはニュイサンジョルジュに本拠を置く家族経営の小さなネゴシアンで、日本ではあまり知られていないのですが時としてとてもクオリティの高いワインを作り出すそうで、このワインもその一つとのこと。
シャンベルタン系のワインは私が最も好きなワイン。とてもとても淡い色合い、華やかで繊細な香り、滑らかでとてもデリケートな味わい。タンニンの強いボルドー系のワインとは対極をなすワインですね。開栓後徐々に開いていくその香りと味わいを時間をかけて楽しむのは、まさに至福のひとときなのです。
このプーレのシャンベルタン・クロ・ド・ベーズもそれらの特長を見事に備えています。ベリー系の華やかで繊細な香りはまさにシャンベルタンの特長。開けたて時のみ微かに藁っぽさが感じられますが、それもスワリングすると消えてしまいます。味わいとしては酸味と甘みの強さが特徴的。無論、若々しい酸味、甘みではなく、時を経て尖った部分がなくなり、その本質の部分だけが残った酸味と甘みです。これまでも何本かシャンベルタンは飲んでいるのですが、甘みに関しては一番強いかもしれません。逆に香りに関しては複雑さという点において若干物足りなさを感じなくもないのですが、この価格を考えるなら問題にすべきではないでしょう。
おいしい前菜、そして牛肉の赤ワイン煮込みとともに約3時間ほどかけてシャンベルタン・クロ・ド・ベーズを堪能させていただきました。
そして食後に登場したのがこれまたおいしいデザートワイン。その話はまた明日にでも。