memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

イエス・キリストの謎(斉藤栄)

「象」という謎の言葉を残して男が消えた。そして伊豆の別荘では全裸の美人が十字架にかけられて死んでいた。謎は現代日本から、古代ユダヤへと遡って…。古来よりキリスト伝説のある東北の地を舞台に著者が挑む、異色の本格ミステリー。〜「BOOK」データベースより


斉藤栄さんは昔何冊(「奥の細道殺人事件」「徒然草殺人事件」他)か読んだ記憶がありますが、最近は殆ど読んでいませんでした。先日、本屋でこの「イエス・キリストの謎」が平積みされているのを見て、つい買ってしまったのですが(イエス・キリスト関連のミステリーも好きなジャンルなので)、読み始めて1頁目で「イヤな予感が...」、さらに読み進めて「失敗したかな...」という思いが脳裏に走ります。「これって、すごい昔の作品?」 あとがきを読むと1970年代の作品の新装版のようです。「いや〜、まいったな...」
でも買ってしまったものは仕方ないので読んだのですが、概ね既知の情報〜竹内文書に書いてある「磔刑にされたのはイエスの弟で、イエスは日本に渡来して青森・戸来村で死んだ」という話〜がベースとなっており、案の定、歴史ミステリー的新鮮味はありませんでした。30数年前に読んだのであればすごく面白かったとは思いますが...。
この手の作品を好んで読むのは、ベースとなっている歴史ミステリーの方を知りたいからであり、関連する殺人事件などはどうでもいいのです。その意味では大失敗でした。
尤も、竹内文書の話を知らない方であれば面白く読めると思いますし、昭和40年代半ば〜後半くらいの日本を描いているので、(若い人には)その辺りの描写も興味深いかもしれません。


余談ですが、竹内文書は所謂「偽書」と呼ばれる文献の代表的なものの一つで、それによると全世界の中心は富山県呉羽山近くにある「皇祖皇太神宮」であり、イエスを始め、モーゼ、マホメット、釈迦などが来日し、天皇に仕えたということになっています。
実はその「皇祖皇太神宮」って私の実家の直ぐ近く(たぶんクルマで20分くらい)にあるんですよね。この事実を数年前に知って以来、機会があればぜひ行ってみようと思ってはいるのですが、残念ながらまだ行かれてません。来年の夏に帰省する際にはぜひとも行ってみたいものです。
(注:現在の「皇祖皇太神宮」は茨城県北茨城市磯原町に移っていますが、神社自体は富山にも残っているそうです。)