そして約1時間後、CARYの試聴を始めます。輸送直後という状態に加え、まだ通電1時間ですから本当の実力は出ていないと思いますので、ゆるゆると行きましょう。ちなみにSkylineはTVに装着した状態です。
◆Haydn/String Quartet No.77,78,79/Wiener Musikverein Quartett
- アーティスト: ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団,ハイドン
- 出版社/メーカー: プラッツ
- 発売日: 2002/12/21
- メディア: CD
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弦楽四重奏に代表される小編成ものはよく聴くのですが、その中でもハイドンのこのCDはお気に入りの1枚です。明るくて少しドライな感じの弦の響きが特長。
あ〜、何でしょう、この響きの美しさは......特に弱音から無音に移っていく音の消え際の表現が素晴らしいです。柔らかで、繊細で、滑らかで......。
音に透明感があります......濁りのない澄んだ音色。
音の立ち上がりが早くヴァイオリンの音のエッジがきっちりと立っています。でも消え際は非常に繊細で柔らか。2本のヴァイオリンが早いパッセージを弾いたときにも一つ一つの弦の音が明快に判別できるとともに、それぞれの音の余韻が混濁することなく響き、全体として美しいままに溶け合っています。
◆Chung Kyung Wha/Souvenirs
チョン・キョンファさんは大好きなヴァイオリニストです。そのチョン・キョンファさんを、そして、そもそもヴァイオリンという楽器を好きになったきっかけがこのCD。コンサートのアンコールなどでよく演奏するヴァイオリンの名曲小品を集めた作品集なのでクラシックにあまり馴染みのない方にもお薦めできます。何より、チョン・キョンファさんのヴァイオリンの音色の多彩さ、同じヴァイオリンなのに演奏技術によってこんなにも音の表情を変えるのかと思わされます。
音の透明感と響きの美しさはここでも感じられます。そして艶やかなヴァイオリンの音色と倍音の絡みがとても美しい。またチョン・キョンファさんの弾き方の違いがこれまで以上によく分かります。艶っぽい音はより艶っぽく、鋭い音はより鋭く......。
ピアノの低音部は深く厚く響き、高音部の打鍵音は鋭くてクリア。反響版からの音との違いが聞き分けられるのは気のせいでしょうか。
◆Mozart/Sinfonia Concertante in E-flat Major/Midori, Nobuko Imai, Christoph Eschenbach, NDR-Sinfonieorchester
- アーティスト: 五嶋みどり,モーツァルト,エッシェンバッハ(クリストフ),今井信子,北ドイツ放送交響楽団
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日: 2004/11/17
- メディア: CD
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五嶋みどりさんのヴァイオリンが中央左手に、今井信子さんのヴィオラが中央右手に位置し、その二人の音の絡み合いをさらに囲む形で聞こえてくるオケの演奏が聴き所。そして第2楽章で展開されるヴァイオリンとヴィオラの情感に溢れた対話。
音に芯があります。一つ一つの音が生き生きとして瑞々しい......。
ホールを満たす余韻の繊細な美しさ......。
透明感、鮮度、エネルギー、緻密さ、そして滑らかさ....。
第2楽章のヴァイオリンとヴィオラの対話は切なくなるほど素晴らしい......。
全部でCDを6枚ほど聴いたのですが代表として3枚についてだけ触れました。
真空管アンプをちゃんと聴くのは初めてなので、今日聴いた音が真空管という増幅素子の特長なのか、A級アンプの特長なのか、あるいはCARYの特長なのかは判断できないのですが、とにかく素晴らしいアンプだと思います。
最も印象的だったのは音の透明感と響きの美しさです。さらには生き生きとした音の実体感と消え際の弱音表現が両立しているということ、そして総体としての表現力の豊かさ、幅の広さ。細かい粗探しをすればできないこともないのですが、そんなことをすることの意味を失わせるくらい、このアンプならではの音の世界観を確立しているように思えました。
明日はジャズを聴きましょう。