memento

audio&visual, headphone&earphone, bicycle, music, animation, book, wine...趣味領域の外部記憶装置です。 <since 10 aug 2006>

電源について

オーディオにおいて電源が大事だというのはよく知られているわけで、私も今のマンションに引っ越してきた際にオーディオ用だけのための屋内配線を確保し、小ブレーカーにはクライオ・オーディオ・テクノロジーのオーディオ用ブレーカー、壁コンセントにはPADのCryo-L2、アコリバのコンセントベースにオーディオリプラスのコンセントカバーというような基本的な環境を構築しました。


◆オーディオ用のコンセント


そして2年前にアシスタンスデザインのアイソレーション・トランスを導入し、フロントエンド系の電源はそのトランスから取るように変更しました。アイソレーション・トランスを導入したときは、ノイズフロアがスッと下がるのが分かり、かつ高域のロールオフもなく、その威力に驚いたものです。


アイソレーション・トランス


さらに低域強化の目的で昨年11月にオヤイデのTUNAMI-GPXをアイソレーショントランスへの電源供給用に導入したのですが、確かに低域は強化されたものの音の質感、肌触りみたいなものがどうもしっくりこず、今年4月にAETのSIN-AC(これが予告に書いた「罪という名のケーブル」です)を導入。その効果は素晴らしく、音のグレードが1ランク上がった気がしました。AETのケーブルっていいですよね。情報量も多いしヘタな色づけはしないし、なにより音の質が高いという点が気に入っています。(まあ欲を言えばもう少し色気があっても良いのですが、それはAETに求めるべきことではないですね。)


その後今に至るまで電源系については特に変更せずに来たのですが、先日書いたオーディオショップS氏のお薦めケーブルを自宅試聴させていただくということになった際のやりとりの中で
「○○ケーブルはぜひアイソレーション・トランスを通さずに壁コンに直に繋いでください。それによって○○ケーブルの情報量の多さを最大限に活かせます。」
ということを言われたのです。無論アイソレーショントランスはS氏から購入しているわけで私が何を使っているかはご存じです。


「んんん…アイソレーション・トランスは使わない方がよいわけ?」


私の心の中にアイソレーション・トランスに対する疑念が沸々と湧いてきました。こうなると試してみるしかありません。約2年ぶりにタップを引っ張り出してきてフロントエンド系の電源配線を全て変更しました。タップは千曲の4口のものを改造したやつと、キャメロットテクノロジーのTAP3を持っているのですが、千曲・改のタップは軽量なため今使っている電源ケーブル達をホールドするには力不足です。ケーブルに負けて傾いてしまうのです...(^^ゞ ということで、とりあえずは中量級のTAP3を使うことにします。千曲・改は後日試してみましょう。
さすがに2年間も使用していなかったので、とりあえずは電流を流してやって本来の音にしてやらなければなりません。PADシステムエンハンサーを4回ほどリピートさせた後、軽い試聴に入ります。(ちゃんとした試聴は翌日の予定)


果たしてどのような音が出たのか...。


まだ少し音が固いです。でもこれは久々に使ったからだと思われます。ノイズフロアはというと若干上がった感じかな。でもアイソレーション・トランスを導入した際に感じたほどの差はありません。あれ以来電源ケーブルをかなり入れ替えたのでその影響があるのかも。そして問題の情報量はと言うと、空間情報〜ホールに漂う残響音が若干増えた感じです。明らかに差があるという程ではありませんが、やっぱりアイソレーション・トランスを通すと若干ですが情報量が落ちています。
でも一番の違いは別のところにあったのです。それは「アイソレーション・トランスを通さない方が音が活き活きとしている」ということなのです。聴いていて楽しくなります。導入した際にはそのような弊害は感じなかったのですが、さすがに2年も使っている(しかもほとんど通電状態)ので何かが変化してしまったのでしょうか。これにはちょっと驚きました。
そして翌日(つまり今日)。あらためて試聴してみます。音の固さはほぼとれました。TAP3本来の音と言えるでしょう。基本的な印象は昨日とほとんど変わりません。やはり音が活き活きしています。そして昨日は気づかなかったことが一つ。それは低音の量感が増えていること。これはアイソレーション・トランスを外したのが原因なのか、あるいはTAP3の特長が出たのか、どちらなのかはわかりません。ただ、私にとってはとても嬉しいことです。


と言うわけで、アイソレーション・トランスは当面外すことにしました。2年間お疲れ様。この子はAV機器系の電源として活躍してもらうことにします。


そして新たな悩み(楽しみ)が...... 「もっと良いTAPを買わなきゃ!」